エルナンデス氏が逝去

　エルナンデス氏は84年9月にプロデビュー。91年にWBA世界スーパーフェザー級王座につき、翌年には来日して竹田益朗(陽光アダチ)、渡辺雄二(斉田)を退けた。防衛を8まで伸ばした後に王座を返上し、95年にはオスカー・デラ・ホーヤ(米)の持つWBO世界ライト級王座に挑戦。のちの6階級制覇者を大いに苦しめたが鼻骨骨折のため6回終了時に棄権、34戦目にして初黒星を喫した。
97年にはアズマー・ネルソン(ガーナ)を下してWBC世界スーパーフェザー級王座を獲得。98年10月、4度目の防衛戦でフロイド・メイウェザー(米)に8回終了TKO負けを喫し、王座を失い32歳で引退した。生涯戦績は41戦38勝(17KO)2敗1分。
　180センチの長身ながら体を丸めた独特の構えをした懐の深い技巧派ボクサーで、ジャブや右ストレートだけでなくインサイドから突き上げるアッパー系のパンチも得意とした。
　温厚な性格で、英語とスペイン語が堪能なことから引退後はテレビ解説も務めた。数年前にガンを発症し、闘病生活を送っていた。