山口の防衛&復帰戦は

　6日、後楽園ホールで行われた東洋太平洋女子スーパーフライ級王者・山口直子(白井具志堅)3度目の防衛戦は、今年1月、メキシコで挑んだ世界戦敗戦からの復帰戦ともなった。
　挑戦者のリアントン・ロングレアーンギラゴラート(タイ)は、東洋ランクインと同時に、東洋タイトル挑戦のチャンスを掴んだタイの新鋭。試合は王者・山口がスタートからワンツーで先制し圧力を掛けると、挑戦者リアントンは下がり続ける展開となった。

　4回終了間際、山口の「豪腕」が炸裂。左ボディ・ワンツーでダウンを奪い、5回に右クロスでタイの新鋭に止めを刺した。

　敗れたリアントンは控室で「3回のバッティングが痛かった。山口にパンチはなかった」と振り返り、レフェリーストップに不満げな表情を浮かべた。

　圧巻の試合運びで東洋王座V3に成功し復帰戦を飾った山口は、笑顔の会見となった。「打ち合わない相手に、駄目なところが出た。様子を見て組み立てようと思ったが…」とし、「同じ距離での戦いになり、観ている人もつまらないかったんじゃないかな。ショッパイ試合で申し訳なかったです」と、会心の勝利にも反省の弁。

　今後を尋ねられた山口は「私は好戦的な相手には良いが、もっと倒せる部分を詰めて行きたい。東洋を防衛して行けば次もね」と、2度目の世界戦に意欲。ここで具志堅会長も「次は世界タイトルだな!」と、世界再挑戦を援護射撃していた。
　世界王座の壁を経験し、一回り逞しくなった「豪腕」は磐石の強さで東洋王座を防衛。再び世界挑戦を実現させるその日まで、山口直子はノンストップで走り続ける。