元バンタム級王者対決!

　元OPBF東洋太平洋バンタム級王者で現日本同級12位の山本隆寛(27=井岡)と元日本バンタム級王者で現日本スーパーバンタム級6位の大森将平(25=ウォズ)が9日、エディオンアリーナ大阪(大阪府立体育会館 第2競技場)で開催されたスーパーバンタム級8回戦で激突した。再浮上を目指す両者の攻防に視線が注がれた。

　初回、サウスポー大森が距離を詰めてワンツーを好打。対する山本も右アッパーを返し対抗した。2回、大森は左ストレートから右アッパー、さらに右フックを決めてテクニシャンぶりを発揮。3回、大森が右フックからパンチをまとめて試合を終わらせた。

　完全復活を印象づけた大森は、「2ラウンドから相手のリズムがわかったのでバックステップでかわした。初回はポイントを取られたと思ったのでプレスを強めたら、それがハマった。右アッパーが当たったが思っていた以上に打たれ強かった」と声を弾ませた。
　この試合に向けてWBA世界バンタム級王者の井上尚弥(大橋)と12ラウンドの実戦練習を行ったことを明かした大森は、「3回スパーして、対等ではなかったが良いスパーリングが出来た。尚弥選手とやれるのは収穫しかないので、横浜に行った。3回のノーモーションの左は尚弥選手から得たパンチ。相手は見えにくかったと思う」と手応えを掴んでいた。

　会見に同席した大森昌治会長は、「今回は技術を見せて勝ってほしかったが狙いすぎていた。もっとジャブを出して流れの中で倒してほしかった」と手厳しかったが、「もっと経験を積ませたい。次はもっと強い相手で世界ランカーあたりとさせたい」と青写真を描いた。  

　一方、悔しい敗戦になった山本は、「今回はしっかりと準備ができていたので悔しい。序盤にボディが入っていたので、逆に考えが固まってしまった」と肩を落とした。