3人の女王が公開練習

　震災の影響により、後楽園ホールでの開催が3月12日から5月8日に延期された女子トリプル世界戦"WBC CARES"。戦いの主役となる3人の女王、WBC女子世界ライトフライ級王者・富樫直美(ワタナベ)、WBC女子世界アトム級王者・小関桃(青木)、WBC女子世界ミニフライ級王者アナベル・オルティス(メキシコ)が3日、都内・青木ジムで公開練習を行った。

　公開練習前には3選手が揃って会見を開き、開催延期から現在に到るまでの心境を語った。
　富樫は「11日は計量が終わり、2時間後くらいに震災が発生した。正直、延期となった1ヶ月半は複雑でした。だけど気持ちを切り替えることもこの期間にできた。あとは私がボクサーとしてしっかり戦うだけです」とし、勝利が被災地に向けてエールとなると話した。

　続いて小関は「国全体が不安定な状況にある。だけど沢山の人達に"良い試合が観たい"といわれました。敢えてこの1ヶ月半はボクシングだけに集中し、心も身体もリセットできた。多くの人に勇気を送りたい」と決意を新たに。
　最後にアナベルは「私達ボクサーができることはボクシングだけ。8日の試合では勇気を与えられる立派な戦いをしたい。メキシコの家族からも素晴らしい試合をして欲しいといわれている。私も日本で、ここで頑張りたい」と日本のファンに好ファイトを約束。藤岡対策も万全をアピールした。

　公開練習では、まず3人の女子世界王者がともにリング上でシャドーを行い、それぞれが回転の速いパンチを繰り出していた。
　その後、アナベルが4回のミット打ちを公開。鋭いステップインから力強いワンツー・コンビネーションを打ち込み、ディフェンスではダッキングを多様し、攻防一体のミット打ちを披露。

　富樫もミット打ちを3回行い、リーチを活かしたミドルレンジからのジャブ・ワンツー放ち、特に右ストレートは破壊力満点の一撃を打ち込んでいた。
　小関は、トレーナーを相手に2回の公開スパー。自ら前に出てワンツー・右アッパーと、力強いボクシングを見せていた。

　8日のWBC女子世界トリプル世界戦。はたして「3人の女王」は挑戦者を退け、再び緑のベルトを取り戻すことが出来るのか。