井上尚弥 大幅遅刻のマクドネルに「ふざけている」

　WBA(世界ボクシング協会)バンタム級タイトルマッチ、王者ジェイミー・マクドネル(32=英)対挑戦者の井上尚弥(25=大橋)の前日計量が24日、都内のホテルで行われた。マクドネル陣営からの要望で計量時間が午後1時から午後1時30分に変更。それでもマクドネルは一向に現れず、1時間10分遅れの午後2時10分に会場に到着した。井上は、明日の大田区総合体育館で開催される「FUJI　BOXING」でのメインイベントで世界3階級制覇を目指す。
　試合の模様はフジテレビ系列で全国生放送される。関東地区が午後7時57分から、関西地区が午後9時から、その他の地区は午後8時2分からスタートする。

　バンタム級初戦となる井上はリミットちょうどの53.5kgでパスした。遅刻してきたマクドネルに対し、「ふざけていますね」と語った井上。「謝りの一言もなかったし、相手陣営の態度はどうかと思う。その気持ちを明日にぶつけるだけです」と怒りの感情を出した。

　「(マクドネルは)体重はクリアしたが、体のダメージはあるのではないか。明日には体が大きくなってくる思うが動きは鈍くなるし、ボディも効きやすくなる」と分析すると、「明日は判定決着は望んでいない。KOで締めくくりたい」とノックアウトでの王座奪取を誓った。

　200gアンダーの53.3kgでパスしたマクドネル陣営はまるで試合に勝ったかのように大騒ぎしていた。計量後に控室に閉じこもったマクドネルは4度会見をしているのと、試合に集中したいという理由で会見を拒否した。医師によると、血圧が低く脱水症状が見られるが他は異常なしと診断された。

　マクドネルの代わりに取材に応じたエディ・ハーン氏は遅刻の理由を「ウェイトを落とすことに専念していた。相手側には状況を報告していた。日本と違って時間にはきっちりしていない。前回の方が減量はキツかった。前回も遅刻している」と説明。「(マクドネルは)明日には体力が回復している。勝った方がWBSS(ワールド・ボクシング・スーパー・シリーズ)に出場すると思う。ただ、マクドネルはこの試合を最後にスーパーバンタム級に階級を上げるかもしれない」と話した。

■検診結果
WBA世界バンタム級タイトルマッチ
王者:ジェイミー・マクドネル(英国)
体重:53.3kg
体温:36.0℃
血圧:89/69mm/Hg
脈拍:85/min

挑戦者:井上尚弥(大橋)
体重:53.5kg
体温:36.6℃
血圧:131/83mm/Hg
脈拍:63/min