佐藤洋太、防衛なるか!?

　9日、後楽園ホールで開催されたガッツファイティング。メインイベントには、チャンピオンカーニバル・日本スーパーフライ級タイトルマッチ、王者・佐藤洋太(協栄)vs挑戦者・河野公平(ワタナベ)がラインナップ。
　王者"みちのく魂"佐藤は3度目の防衛戦にして、世界挑戦経験をもつ元日本&東洋太平洋スーパーフライ級王者の最強挑戦"リトルブルドーザー"河野を迎え打った。
　2ラウンド、佐藤の右アッパーに河野がダウンを喫し、序盤から王者がポイントをリードする展開となった。

　河野はダウン後も、"リトルブルドーザー"ぶりを発揮し積極的に圧力を掛け続けたが、佐藤は長いリーチと足を使い、右ストレートを再三ヒット。ダウンポイントを守り抜き、3度目の王座防衛に成功した。

　試合後、佐藤の控室では協栄ジム金平会長がコメントを出した。「河野は粘り強い選手だった。2ラウンドのダウンの後、詰め切れなかった。それでも今日はしっかり勝てた内容だったと思う。出来ることなら、次は世界に挑戦させてあげたい」と佐藤を評価し、次の一戦は世界のリングとした。

　ドクターチェック後、王座防衛に成功した佐藤が試合を振り返り「打ち合いも辞さないって強い気持ちでした。打ち合いの中でクリーンヒットを狙った。世界を意識してストレートを打った。反省点もあるが、世界基準のジャッジを意識していた」と、世界挑戦を視野に入れて戦っていたとコメント。

　最後に岩手出身の佐藤は「震災にあった両親が昨日の夜、やっと東京に来れた。岩手県では試合が映らないが、このご時世にボクシングをやれるでけでも感謝しています。取りあえず勝てて良かったです」と、王座防衛に安堵の表情。震災により佐藤の故郷も大きな被害を受け、佐藤自身も「ボクシングをやって良いのか」と、自問自答を繰り返していたことを明かした。
　"みちのく魂"佐藤洋太の戦いは、きっと被災地に勇気と元気を送り届けたに違いない。

　なお、セミファイナルで行われた、日本スーパーバンタム級暫定王座決定戦は、瀬藤幹人(協栄)が判定3-0で玉越強平(千里馬神戸)を下し、初戴冠に成功した。