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[ニュース]2011.4.9

モズリーの半生A

 いまのところ不利の予想が伝えられるシェーン・モズリーだが、この男が過去に数々の逆境を乗り越え、ときに大一番で番狂わせを起こしてきたことを忘れてはなるまい。3階級制覇者モズリーの地力、経験を侮ることは危険だ。
 54戦46勝(39KO)6敗1分の39歳。“シュガー”シェーン・モズリーの栄光は、いつも屈辱を乗り越えた先に訪れてきた。
シェーン・モズリーの半生PART2
 ★PART2

 モズリーのアマチュア戦績は260戦250勝10敗という見事なもの(この他に242戦230勝12敗説もある)。89年と90年、さらに92年に全米選手権で優勝し、世界選手権(準優勝)やグッドウィルゲーム(3位)などにも出場経験を持っている。
 しかし、もう一歩のところで肝心のバルセロナ・オリンピック出場を逃してしまう。ライトウェルター級でエントリーしたモズリーは米国代表選考会の最終トライアルでバーノン・フォレストに敗れたのだ。
 補欠にまわったモズリーはデラ・ホーヤやフォレストの練習相手としてオリンピックに同行したが、もちろん彼に出番がまわってくることはなかった。この大会、フォレストは初戦で敗退したが、デラ・ホーヤは米国に唯一の金メダルをもたらし、「ゴールデンボーイ」として眩しいほどのスポット・ライトを浴びることになる。
 デラ・ホーヤがプロ転向に際し100万ドル(約8400万円)の契約金を受け取り、デビュー戦としては破格の15万ドル(約1260万円)を手にしたのとは対照的に、モズリーは数千ドルの報酬でプロ初戦のリングに上がっている。93年2月、モズリー21歳の冬のことである。

続く

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