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[ニュース]2017.12.28

失明騒動ゾウ・シミンのその後

 12月31日に東京・大田区総合体育館で行われるトリプル世界戦の一つ、王者・木村翔(29=青木)対五十嵐俊幸(33=帝拳)のWBO世界フライ級タイトルマッチにおいて“裏キーマン”の存在感を示してきたゾウ・シミン(36=中国)が、21日、失明騒動を起こしたことは、既報の通りだ。あれから1週間、今も多くの報道関係者がその病状に注目するが、発表される新情報は少ない。中国の英雄に一体何があったのだろう。
木村も五十嵐もゾウ戦を意識
 ボクシング界で、挑戦者決定戦はしばしば行われている。だが、今回の木村対五十嵐は、今年7月、大番狂わせで木村に王座を奪われたゾウの挑戦を受けるための、さながら「王者決定戦」のようで少し珍しい。木村のみならず、五十嵐にも、アテネ五輪出場前にゾウに2戦2敗を喫している因縁があり、どちらが勝つにせよ、ゾウとの再戦こそ、クライマックスを思わせていたのだ。
元TVキャスターのラン夫人
 ところが、ここに衝撃が走ったのが21日。中国版ツイッターの『微博』で、ゾウ夫人であり、プロモーターを担うラン・インインさんが「今日は人生で最悪な日です」と記した頃からだ。国営通信社『新華社』では「ゾウに失明の疑いがある」と報じられ、ゾウ夫妻は飛行機で上海に直行。市内の病院で緊急治療を受けた。
木村との再戦をWBOに直訴していた
 この前日には、北京で行われた式典にゲストで招かれ、ラップやダンスを披露していたスーパースターのゾウ。王座返り咲きへの再戦プランを絶望的にするどころか、今後の人生に大きな影響を及ぼすアクシデントだが、翌日以降、わずかに発信される信ぴょう性高き報道では、担当医が「眼窩底骨折と軽度の白内障により視力が0.1まで低下したと話している」など、当初ほどの深刻さが感じられないものとなっている。
ゾウ自身が語る日は当分先?
 視力0.1は、日本であればプロテストの合格ライン。中国でもその不可解さにインターネット上で様々な憶測が飛び交っている。ただ、ゾウ夫妻にとって再戦が白紙になるような後退にはデメリットが多いはずだ。真相は、同夫妻から語られるまで、謎に包まれたままだろう。木村は「再戦ができる、できないも大事だけど、目が見える、見えないが戦友として気になる。順調な回復を願いたい」と、心配した様子だった。

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