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[公開練習]2017.12.25

危険地帯で育った拳四朗の挑戦者

 30日に横浜文化体育館でWBC(世界ボクシング評議会)ライトフライ級王者の拳四朗(25=BMB)に挑む同級11位のヒルベルト・ペドロサ(25=パナマ)が25日、都内のジムで練習を公開した。ゲリラ、銃撃戦、麻薬といった危険な言葉が普通に出てくるコロンビアの国境近く、パナマ密林地帯出身のペドロサは、「子供の頃にボクシングに出会っていなければ貧しさから抜け出せず、道を踏み外していた。世界王者不在の母国のためにも、そして3人の子供のためにも世界タイトルを獲る」と意気込んだ。
試合の模様は当日、フジテレビ系列で全国中継される。
最高に仕上がっていると自信満々
 アマチュア時代(70戦50勝)はパナマのナショナルチームに入っていたというペドロサは、スペイン語でインディオの族長を意味する「エルカシーケ」の愛称を持ち、ミット打ちでも陽気に「カシーケ」と叫び強打を繰り出していた。会見では「寝ても覚めても拳四朗のことを考えている」と話すペドロサの横でトレーナーのフリオ・セサール・アルチベルト氏は、「ペドロサは攻撃的なファイターでありながら、どの距離でも戦えるテクニックもある。リングを回るだけの拳四朗はキチンと準備をしてくることだ。ゴングが鳴った瞬間にペドロサは矢のように飛び出すだろう」と偵察に訪れたチャンピオン陣営に忠告を加えた。
陽気に「カシーケ」と叫んだ
 打倒拳四朗に意欲を示すペドロサだが、早くもチャンピオンになった後のことにも言及。世界挑戦の翌日に7度目の防衛戦に臨むWBA王者の田口良一(ワタナベ)との統一戦を視野に入れていると明かし、その理由として「現在のライトフライ級は田口が一番。私はベストの選手と戦いたい」と豪語した。
攻撃的なスタイルで拳四朗のV2を阻止する
 練習は軽めに終始したが、二人のトレーナーを相手にしたミット打ちでは素早いフットワークからワンツー、フック、アッパーの強打を連続で繰り出し、豊富な運動量を報道陣にアピールした。
チームの野望を拳四朗が打ち砕く
 この日の練習を視察した拳四朗の父、寺地永会長は「連打でガンガンくるあの勢いをいかに止めるか。やりにくさはあるが、拳四朗としても来てくれた方がやりやすい。ボディを効かせて気力を削げれば」とある程度のイメージは掴んだようで、これから戦略を練ると話した。

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