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[海外ニュース]2017.11.29

ヘビー級にも指名戦指令

 WBA(世界ボクシング協会)は25日にドイツのオバーハウゼンでアレクサンデル・ウスティノフ(40=露/ベラルーシ)に12回判定勝ちを収めて同団体ヘビー級レギュラー王者になったマヌエル・チャー(33=レバノン/独)に対し、3位のフレス・オケンド(44=プエルトリコ/米)の挑戦を受けるよう指令を出している。交渉期限は12月22日で、それまでに話がまとまらない場合は興行権入札が行われるとしている。

 四転五転、七転八倒の難産のすえに昨年7月以来16ヵ月ぶりに誕生したWBAヘビー級レギュラー王者だが、まだまだ迷走は続きそうな気配だ。なにしろWBAが指名挑戦者として推しているオケンドは14年7月以降、一度もリングに上がっていない選手なのだ。その3年4ヵ月前のWBAヘビー級王座決定戦でルスラン・チャガエフ(ウズベキスタン/独)に僅差の判定負けを喫したオケンドは、120日以内の再戦が約束されていたが、自身の家庭の事情や故障、相手の事情などで世界戦は相次いで中止に。同情の余地があるとはいえ、40ヵ月もリングから遠ざかっている選手が世界3位、しかも指名挑戦者というのは常識の範囲を甚だしく逸脱している。しかもオケンドは44歳、かつての力をキープできているのかどうかも疑問だ。アンソニー・ジョシュア(英)、デオンテイ・ワイルダー(米)の並立時代に入り、来年には頂上決戦が期待されるヘビー級だけに、興を削ぐようなお粗末なタイトルマッチだけは勘弁してほしいところだ。

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