日本VS中国の対抗戦が後楽園ホールで開催

　最高気温29℃を観測した30日、都内にある後楽園ホールでは「DANGAN183 日中親善試合賞金マッチ」が開催された。日本人選手と中国人選手による数々の熱戦が繰り広げられ、試合前には賞金マッチに出場する全選手がリングに上がり、両国の国歌が流された。

　1100人の観客のうち、7〜8割が中国人となったこの日の興行。中国人選手がパンチを決めると大歓声が沸き起こり、日本人選手にとってはアウェーで戦っているような感覚となった。しかし、どちらの国の選手が勝っても盛大な拍手を送り、ボクシングそのものを楽しんでいる雰囲気が感じられた。

　最もインパクトを残したのはセミファイナル、スーパーバンタム級4回戦に出場した石川春樹(17=RK蒲田)。中国側の関係者から一番の実力者と期待されていたソン・チャンゴ(31)と対戦した石川は右ストレートを振り抜き、初回わずか21秒で豪快にキャンバスに沈めた。

　見事なKO勝利を飾った石川は「ジャブを避けてストレートを狙う作戦だったが、まさか倒れるとは思わなかった。8オンスのグローブはこんなに手応えがあるのだと思った。倒して気持ちよかった」と声を弾ませた。
　石川の父である洋トレーナーは「狙い通りだったが運良く当たった。今日は僕の仕事はなかったですね」と満面の笑みを浮かべた。1ラウンドKO勝利で賞金5万円を獲得した石川は「賞金で新しいグローブを買いたい。今年はあと2勝して来年の新人王戦に出場したい」と今後の抱負を語った。

　全試合終了後には中国人選手がリングに上がり、感謝の気持ちを述べると最後まで残っていた観客から声援が送られた。

　今回の試合を主催したDANGANプロモーションの古澤将太氏は「初めてのイベントだったが1回目にしては盛り上がり、スタートしては良かったと思う。中国人選手は技術的にはまだ改善の余地があるが、ハートが強かった。これをきっかけにこれからも交流を深め継続していきたい」と手応えを口にした。第2回は10月20日(金)、後楽園ホールでの開催が決定。今後は中国で行うことも検討されているという。