採点に不満のジャック

　14日(日本時間15日)に米国ニューヨークのバークレイズ・センターで行われた世界スーパーミドル級王座統一戦、WBC(世界ボクシング評議会)王者バドゥ・ジャック(33=スウェーデン/米)対IBF(国際ボクシング連盟)王者ジェームス・デゲール(30=英)は12回引き分けという結果に終わったが、試合後、ジャック陣営が判定に対して不満を露わにしている。

　試合は初回にジャックが軽いダウンを喫したが、ボディブローなどで徐々に追い上げ、最終回にはコンビネーションでダウンを奪い返して戦い終えた。採点はジャッジのひとりが114対112でデゲールを支持したが、残る二者は113対113のイーブンと採点したためドローとなった。手数ではジャックが745発、デゲールが617発、ヒット数でもジャックが231発、デゲールが172発といずれもWBC王者が上回った。終盤にデゲールがマウスピースを吐き出すなど見栄えの点でもジャックが勝ったように感じた観客の方が多かったようだ。

　ジャックのプロモーターでもある元世界5階級制覇王者フロイド・メイウェザー氏は「なぜこんな採点になるのか理解できない。もう東海岸では戦いたくない。私たちは正しい採点を望んでいるだけなんだ。この試合は接戦じゃない。デゲール自身が負けたということを悟っているはずだ。だから会見にも出て来ないのだろう」と、病院に直行したIBF王者を皮肉った。昨年4月にワシントンDCでルシアン・ビュテ(ルーマニア/カナダ)と引き分けているジャックは「言うことが見つからない。これで2試合続けてだよ。彼の顔をみてほしい。KOしなくちゃいけないんだろうな…ジャッジに勝負を委ねることはできないよ」と憮然とした様子だった。統一することはできなかったもののWBC王座のV3に成功したジャックは24戦20勝(12KO)1敗3分。WBCから1位のカルム・スミス(英)の挑戦を受けるよう課されている。デゲールは25戦23勝(14KO)1敗1分。