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今年もすでに数多くの世界戦が決定している。4月までで特に注目したいのがマニー・パッキャオ(38=比)のいるウェルター級、ゲンナディ・ゴロフキン(34=カザフスタン/米)を中心としたミドル級、そしてデオンタイ・ワイルダー(31=米)とアンソニー・ジョシュア(27=英)が王座に君臨するヘビー級である。
ワシル・ロマチェンコ
スーパーフェザー級は一時期、内山高志(ワタナベ)、三浦隆司(帝拳)がWBAとWBCの両頂点に君臨して無風だったが、15年秋から大荒れ状態になった。それを収める可能性があるとすればWBO王者のワシル・ロマチェンコ(ウクライナ/米)であろう。五輪連覇の実績を持つ天才サウスポーは16年6月にプロ7戦目で2階級制覇を成し遂げ、11月には元WBA世界フェザー級スーパー王者のニコラス・ウォータース(ジャマイカ)を翻弄。プロの水に慣れてきたことでパウンド・フォー・パウンドの上位に割り込んでくるまでになった。3月にはフェザー級時代に惜敗した相手、オルランド・サリド(メキシコ)とのリベンジマッチが予定されている。
フランシスコ・バルガス
その前に1月28日に米国カリフォルニア州インディオで行われるフランシスコ・バルガス(メキシコ)対ミゲール・ベルチェル(メキシコ)のWBCタイトルマッチ、そして三浦対ミゲール・ローマン(メキシコ)のWBC挑戦者決定戦に要注目だ。いずれも好戦型だけに2試合とも激闘は必至だ。
レオ・サンタ・クルス
スーパーフェザー級よりも1階級軽いフェザー級は混戦模様だが、今年は統一の機運が高まりそうだ。1月28日にはカール・フランプトン(英)対レオ・サンタ・クルス(メキシコ/米)のWBAタイトルマッチ(スーパー王座)と、リー・セルビー(英)対ジョナタン・バーロス(亜)のWBAレギュラー王座戦がダブルで行われる。必然的に勝者同士が拳を交える流れになるものと思われる。2月にはゲイリー・ラッセル(米)が暫定王者のオスカル・エスカンドン(コロンビア)と団体内の統一戦を行うことが決まっており、3月にはWBO王者のオスカル・バルデス(メキシコ)もV2戦を予定している。このなかからスーパーフェザー級への転向者も出てきそうだ。
ローマン・ゴンサレス
今年はスーパーフライ級も覇権争いが激しくなりそうだ。主役はWBC王者のローマン・ゴンサレス(ニカラグア)とWBO王者の井上尚弥(大橋)だ。ゴンサレスは3月に前王者カルロス・クアドラス(メキシコ)との再戦が計画されているが、まずはこの試合が最初の山になる。井上は海外での防衛戦を含め、強豪との対戦を求めていくことになりそうだ。最終的にゴンサレスと井上の対戦が実現するかどうかが最大の注目になる。「2017年の年末」が最有力視される。
モハメド・ラビ
今年は16年リオ五輪組にもスポットが当たる年になる。すでにプロデビューを果たしたライト級金メダリストのロブソン・コンセイサン(ブラジル)やミドル級女子の2大会連覇者クラレッサ・シールズ(米)らに加え、バンタム級銀メダリストのシャクール・スティーブンソン(米)、モロッコの国民的ヒーローになったウェルター級銅メダリストのモハメド・ラビらの動向に注目したい。また、金メダル3個、銀メダルと銅メダルを各2個ゲットしたウズベキスタン、金1個、銀2個、銅1個を獲得したカザフスタンなど中央アジア出身者の活躍も期待できそうだ。