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[公開練習]2016.12.19

井上尚弥のテーマは距離

 元WBA世界スーパーフライ級王者の河野公平(36=ワタナベ)を挑戦者に迎えて行うV4戦(12月30日、有明コロシアム)まで11日に迫った19日、WBO世界スーパーフライ級王者の井上尚弥(23=大橋)が報道陣にトレーニングを公開した。9月のV3戦では腰痛のためベストのパフォーマンスを披露できなかった井上だが、今回はオーバーワークを避けるためスパーリングの量をセーブ。その分、ラウンドごとに課題を持って中身の濃いスパーリングをこなしてきたという。「疲労が残らず、いい感じに仕上がっている」と順調に調整が進んでいる様子だった。
※井上対河野、八重樫東(大橋)対サマートレック・ゴーキャットジム(タイ)、村田諒太(帝拳)対ブルーノ・サンドバル(メキシコ)は30日(金)午後6時〜8時54分までフジテレビ系で放送(延長対応あり)
キレのあるジャブを見せた
 公開練習の前後に報道陣の取材に応じた井上は、やや頬がこけてはいたものの血色は良さそうだった。前日の練習終わりでスーパーフライ級リミットより3キロ重いだけで、減量も順調だという。今回、井上が最も重点が置いたのがコンディション調整だ。9月のV3戦ではオーバーワークから腰を痛め、試合でも納得のいくパフォーマンスができなかったことから、今回はスパーリングを最長でも一日に5ラウンドに抑えたのだという。「試してみて疲労が溜まらずにいい感じできている。その代わり足をつかったり、打ってみたりとラウンドごとに課題をつくってやってきた」と、テストの途中結果には満足しているようだ。
井上真吾トレーナー
 「テーマは?」という問いに父親の井上真吾トレーナーは「前回の試合に関してはいろんな評価があったので、今回は名誉挽回かな」と話したが、井上自身は「距離」を挙げた。「河野さんは8月に(ルイス・コンセプションに)負けているけれど、あれは作戦ミスだったと思っている。キャリアがあるのでボクシングをよく分かっているし、タフでスタミナもある」と分析しており、侮った様子はみられなかった。そして「河野さんは距離を詰めてくると思うけれど、そうなっても打ち勝つ自信はあるし、捌くという引き出しもある」と加えた。試合展開に話がおよぶと「河野さんの出方しだい」と前置きしたうえで「大事なのは自分がミスをしないこと。相手に持ち味は出させない。何もさせないつもり」とキッパリと言い切った。
力強いパンチを打ち込んだ
 この日は通常のミット打ち5ラウンド、ドラム型のミット打ち4ラウンドなど約1時間の軽めのトレーニングだったが、父親の持つミットにワンツーに加えアッパー系のパンチも打ち込んでいた。アッパーに関して「前に出てくる河野対策か」と聞かれると、井上は手の内を隠そうとせずに「もちろんです」と即答。そこに揺るぎない自信が感じられた。明日20日は河野が公開練習に臨むことになっており、スーパーフライ級の日本人対決はいよいよ決戦ムードが高まってきた。
河野対策はバッチリ!

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