H級戦VIP席は29万円

　来年4月29日に英国ロンドンのウェンブリー・スタジアムで行われるIBF世界ヘビー級王者アンソニー・ジョシュア(27=英)対元WBA、IBF、WBO王者ウラジミール・クリチコ(40=ウクライナ)のチケットは16日から発売されるが、リングサイドのVIP席には2000ポンド(約29万4000円)の値がつけられた。

　ジョシュアとクリチコは14日(日本時間15日)にロンドンで会見を行い、それぞれ意気込みを語った。12年ロンドン五輪覇者でプロでは18戦全KO勝ちを収めている昇竜のジョシュアは「クリチコを相手にどんなスタイルで戦うか自分でも楽しみにしている。ファイターに対して適応することもできるし、彼を下がらせることもできる。私はクリチコの力が衰えていると思っていない。たしかに1年半のブランクができるが、彼は長いことを世界王者だったので、筋肉が(動きを)記憶しているはず。ベストのクリチコと対峙したい」と意欲をみせた。そして、2年前にスパーリングしたこともある13歳年長の96年アトランタ五輪覇者のクリチコに向け「あなたは私のことを“小さな弟”と呼ぶが、もしもクリチコが勝つならば彼は私にとって大きな兄のままだが、私が勝つならばクリチコはトーチの持ち主が変わったということを理解するだろう。これは新しい遺産の始まりであり新しい時代の始まりだ」と話した。

　これに対し15年11月以来のリングとなるクリチコは「1年半の空白はプラスかマイナスかといえばプラスだと思っている。最後の試合(タイソン・フューリーに判定負け)は不十分なパフォーマンスだった。今回、私のモチベーションは空と同じくらい高い。私は目を覚まさなければいけない」と自分に言い聞かせるように抱負を語った。