全日本新人王同士の一戦

　14年度と15年度の全日本ライトフライ級新人王同士による一戦。先月の更新で世界ランクから外れてしまった日本同級8位の大野兼資(28=帝拳)と日本同級11位のユーリ阿久井政悟(21=倉敷守安)が、超満員に膨れ上がった3日の後楽園ホールで激突した!

　阿久井にとっては敵地で上位ランカーに挑む冒険マッチとなったが、サウスポー大野に対し上下に揺さぶりをかけリズムを図ると、スイング気味の右をヒットして先制のダウンを奪った。ここは立ち上がった大野だが、阿久井の連打の前にロープを背負ってしまい、防戦一方となったところでタオルが投入された。

　元世界ランカーを初回TKOで破った阿久井は、「新人王以来の後楽園ホールだったが、落ち着いて試合に入ることができた。右は大振りになってしまったが、狙って打ったパンチ。磨いてきた右で倒せてよかった」と笑顔を見せた。アニメ・新世紀エヴァンゲリオンをモチーフとしたトランクを履き、夢は「銀河チャンピオン!メチャ強いんです」と子供っぽさも残すが、地元・岡山の環太平洋大学に在学(3年生)し、将来を見据えて教員免許取得を目指す真面目な好青年。これでランクが上がることも予想されタイトルも視野に入るが、本人は「まだまだ課題が多い。ゆっくりと上がっていきたい」と謙虚に話した。