大平サブローさんと長谷川穂積の約束

　長谷川穂積(真正)が忙しくしている。ボクシング史に刻み込んだ第9ラウンド、ロープ際での壮絶な打ち合い。2016年9月16日に5年半ぶりの王座返り咲きと世界3階級制覇を達成したエディオンアリーナ大阪戦以降、テレビやラジオの出演依頼が殺到している長谷川は10月4日、大阪市内のMBS局にいた。
■神泉雄一の週末もええなぁ!
MBSラジオ:10/15(土)13:00〜13:30
■ゲスト
WBC世界スーパーバンタム級王者
長谷川穂積(真正)

　この日の長谷川は、10月15日(土)13:00から放送されるラジオ番組「神泉雄一の週末もええなぁ!」の収録を終えると、生放送のラジオ番組「こんちわコンちゃんお昼ですょ!」(メインパーソナリティ:近藤光史・大平サブロー・シルク)にも特別ゲストで登場し、芸能界随一のボクシング通で知られる大平サブローさんと試合を振り返った。

　サブローさんと長谷川は3年前、サンテレビで放送された対談番組「ボクシングモバイル激突。」で共演。サブローさんが司会を務めた同番組にゲスト出演した長谷川は当時、ベルトを巻いていなかった。それでも、世界王座奪還を信じて疑わなかったサブローさんは長谷川にリングをプレゼントした。「これは、長谷川くんが世界チャンピオンにもう一度返り咲くまでの間だけ預かっておいて下さい。またベルトを巻いた時には、別のものを改めてプレゼントさせてもらいます」。これに長谷川は「はい。これは必ずお返しします」。男の約束が成立した。

　この収録から半年後の2014年4月23日、長谷川は当時のIBF世界スーパーバンタム級王者、キコ・マルチネス(スペイン)に挑戦したが、苦汁をなめた。大阪城ホールでの一戦だ。サブローさんも「あの収録の時はキコ・マルチネス戦を想定しての約束だったので、あの試合に負けた時には正直、あっ、あのリングはずっと預かってもらうことになるのかもな、と少し思った」と振り返った。公私にわたって付き合いのある二人。ベルトを巻いてない時でもチャンピオンと声をかけることもあったサブローさんでさえ、長谷川の引退が頭を過ぎったという。

　改めて2016年9月16日。「脊髄を走る水が沸騰して立ち上がった」とサブローさんも大興奮した現役レジェンドのカムバック。
■長谷川穂積(真正)
■現WBC世界スーパーバンタム級王者
・バンタム級時代にWBC世界王座を10度防衛
・5年半ぶりに世界チャンピオンに返り咲き
・日本人最年長で世界王座を奪取
・世界3階級制覇達成

「さあ、何をプレゼントしようかなあ」嬉しい悩みに笑顔で頭を抱える大平サブロー師匠。「とにかく今はチャンピオンライフを楽しんでもらいたい。それにたっぷり稼いでもらいたいね」と長谷川チャンピオンのプロ36勝目を喜んだ。