新団体「WBS」が発足

　元WBA副会長でPABA会長のシン・ヨンサプ氏(韓国)が3日、タイ・バンコク市内のホテルで新しい世界タイトル団体「WBS(WORLD　BOXING　SOCIETY)」の創立発表会を開いた。 出席者は80名弱だったが、地元のみならず他国インド、韓国、インドネシア、比国からも報道陣、コミッション、プロモーター関係者の顔があった。そして元WBAフェザー級スーパー王者クリス・ジョン(インドネシア)もメンバーの一人として出席した。

　WBAタイトル戦の立会人として度々来日してきたシン氏は、「長年にわたりアジア・オセアニア地区の有望な選手に最大限に正当な機会を与えるためにもラテンアメリカに拠点を置くWBAにおいての活動では限界があることを感じ、近年新団体立ち上げの準備を進めてきた」と新団体設立の経緯を説明。9月末をもってWBA副会長の座を辞任したことを明かした。

　PABA創始者であるシン氏は、その際にWBAの東洋太平洋タイトル版として機能していたPABAをWBAから切り離しWBS傘下に移動。しかし、シン氏はWBAに反旗を翻したわけではなく、団体と同時に本日発足のホームページ(www.wbsboxing.com)で故メンドーサ前会長をWBS名誉会長に据えたことを発表した。そして、新団体及び新生PABAに協力する審判たちにも他団体の試合で裁くことに制約を設けないと付け加えた。

　ホームページで閲覧できるWBSランキングでは、王者はおろか1位から4位までも空位。安易な王者擁立は避け、当面はPABAの試合を管理しながら時間をかけて実力者でランキングを埋めていこうという構えのようだ。