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WBCはこのほど、同団体のヘビー級1位アレクサンデル・ポベトキン(36=露)が王者デオンタイ・ワイルダー(30=米)に対する指名挑戦者であることを確認した。ポベトキンは5月、ドーピングで禁止薬物メルドニウムの成分が検出されたためワイルダーへの挑戦がキャンセルになっていた。
アレクサンデル・ポベトキン
本来ならばワイルダー対ポベトキンは5月21日、ロシアのモスクワで行われるはずだった。4度目の防衛戦に向けワイルダーは英国で最終調整を続けていたが、そんな折り、ポベトキンのドーピング違反が発覚。試合はWBCのアドバイスにより6日前になってキャンセルになった。その後、ワイルダー側は得られるはずだった報酬に相当する500万ドル(約5億500万円)を要求する訴訟を起こし、これに反発したポベトキン側は名誉棄損だとして3000万ドル(約30億3000万円)余の訴訟で応じるという場外戦になっていた。間に入ったかたちのWBCは「6月に判断を下す」としていたが、延び延びになっていた。この間、ワイルダーはクリス・アレオーラ(米)を8回終了TKOで屠ってV4を果たしている。今回のWBCの判断を受け、ポベトキンはワイルダーへの最優先挑戦権をキープしたことになるが、そのワイルダーがアレオーラ戦で右拳と右腕を痛めて手術を受けたため年内はリングに上がれない状態が続いている。ワイルダーは「オリンピックでもロシアは非難を受けているじゃないか。不正を許してはいけない。WBCはクリーンなボクシングを目指すといっていたじゃないか」と、今回の判断に納得がいかない様子だ。来年春にセットされるであろう直接対決で因縁に決着をつけることになりそうだ。