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WBC(世界ボクシング評議会)やIBF(国際ボクシング連盟)が「NO」の姿勢を示したプロボクサーの五輪出場開放に、WBA(世界ボクシング協会)は対象的な協調関係を示したことが話題となっている。
最古のプロ世界団体であるWBA
五輪予選に出場した選手にはWBCが2年間、IBFが1年間の追放処分を発表した一方で、WBA系では現在もミドル級暫定王座を保持するアルフォンソ・ブランコ(ベネズエラ)がリオ五輪最終予選に出場予定だったことなど、容認する兆候を見せていた。ただ、公式的に協調路線を示したのは同予選の直後だった。
IBFはWBCに同調
当初のWSB(ワールド・シリーズ・オブ・ボクシング)とAPB(AIBAプロボクシング)の参加選手に加え、本家プロボクサーの出場も認められたこの予選後、五輪ボクシングを統括するAIBA(国際ボクシング協会)とWBAは、それぞれの公式ウェブサイト上で両組織の会長が握手をした写真を掲載。AIBAのウー・チンクオ会長は「我々は選手の利益のために価値を共有できるすべての組織と協力していきたい」とコメント。WBAのヒルベルト・メンドサJr会長は「私たちはこの競技のために、相互計画を立てる必要があると確認した」とコメントした。
WBOはどう動く?
これでプロボクシング界のメジャー団体4つのうち、3団体は開放案への方針を明らかにしたが、WBO(世界ボクシング機構)のみ、まだ大きなアクションを取っていない。同団体のフランシスコ・バルカルセル会長は2013年にAPBが立ち上がる頃から、AIBAのプロボクシング参画を批難する発言をしている。
方針を変えることもあるWBCだが…
また、WBCも当初に「野蛮」と批判していたキックボクシングに、現在ではムエタイ・ランキング創設の形で参画しているなど、必ずしも方針が一貫しているわけではない。表向きでは価値観の違いが衝突しているが、本質は既得権益の争いのようだ。