H級の新星パーカー

　IBF世界ヘビー級4位のジョセフ・パーカー(24=ニュージーランド/米)が21日、ニュージーランドのマヌカウシティで4位のカルロス・タカム(35=カメルーン/仏)とIBF世界ヘビー級挑戦者決定戦に臨む。勝てばアンソニー・ジョシュア(26=英)への挑戦切符を手にすることができるだけに、「とても興奮しているよ」とパーカーは意気込んでいる。

　パーカーは12年7月にプロデビューし、以後、ニュージーランドの国内王座、PABA王座、WBOオリエンタル王座、WBOアフリカ王座、東洋太平洋王座、WBAオセアニア王座などを獲得してランクを上げてきた。身長193センチ、体重108キロ前後の均整のとれた筋肉質の体から繰り出す左ジャブはスピードがあり、思い切り打ち込む右ストレートは破壊力十分だ。強豪との対戦が少ない点が気になるが、18戦全勝(16KO)のレコードと24歳の若さは魅力的だ。今回の試合を前にパーカーはケビン・バリー・トレーナー(ニュージーランド=84年ロス五輪LH級銀メダリスト)とともに米国ラスベガスで3ヵ月近いトレーニングを積んできた。十分な備えをしてきた自負があるようで「朝早く起きて丘を走り階段を駆け上るなど厳しい練習を重ねてきたんだ。勝てば世界戦のリングが待っているので、重圧もあるけれど試合が楽しみだよ。あとは策に沿って戦うだけ」と自信をのぞかせている。相手のタカムはフランスをベースにしてベルギー、ロシア、イタリア、カナダなどで戦った経験を持つベテランで、36戦33勝(25KO)2敗1分とパンチ力もある。オッズは10対3でパーカー有利と出ているが、楽観視できない相手といえる。