ポベトキン 潔白を主張

　ドーピング違反のため21日に予定していたWBC世界ヘビー級王座への挑戦を逃した元WBA王者アレクサンデル・ポベトキン(36=露)が、「私はクリーンなファイターだ」と身の潔白を主張している。

　ポベトキンは4月27日に受けた検査で、今年から摂取が禁止されているメルドニウムの成分が検出されたとして、「デオンタイ・ワイルダー(米)への挑戦は延期」とWBCから通達された。ワイルダー陣営は「これは延期ではなく中止だ」として、別の日程で別の相手との防衛戦を匂わせている。これを受け、イベント開催権を得るために715万ドル(約7億8000万円)を提示したアンドレイ・リャビンスキー・プロモーターは「ワイルダー陣営が戦いに合意しないのならば裁判で争うことになる。これはキャンセルではなく延期なんだ」と主張している。

　ポベトキン自身は以前にメルドニウムを摂取したことを認めているが、禁止されてからは口にしていないという。「うしろめたいことなど何もない。私はクリーンなファイターだ。試合に向けた準備は万全だったので、延期が決まって落胆している。ワイルダーや彼のチームのことを悪く言うつもりはない。ロシア人はそんなことを好まないんだ」と話している。WBCはワイルダー対ポベトキンに関して、ひとまず「延期」との判断を下したが、今後のポベトキンの検査結果を待って対応を決めていくことになりそうだ。