李が最強王者を下す!

　世界2階級制覇、日本人キラーの異名を取る"最強王者"プーンサワット・クラティンデーンジム(タイ)の持つWBA世界スーパーバンタム級王座に2日、聖地・後楽園ホールで"熱き拳"李冽理(横浜光)が挑んだ。
　試合は、プーンサワットが終始圧力を掛け続けたが、李はジャブで距離を保つと右ストレート・左フックをヒットさせ、5回にはワンツー連打で王者の左目上カット。李は最後まで的確なジャブ・右アッパー・右ストレートで王者の圧力を阻み、大金星となる判定0-3でWBA世界スーパーバンタム級新王座を戴冠した。

　4度目の王座防衛に失敗したプーンサワットは、控え室で敗戦を振り返り「世界戦レベルの試合ではない。互いに手数を出し打ち合うべき。李は足を使うだけのボクシングで、まともな攻撃がなかった。(会場の)応援の声に負けたと思う。ジャッジ一者の118-110は信じれらない」と判定に不満の色を浮かべた。今後については「もう一度練習して、プランを立て直せば必ず勝てる」と話し、李との再戦を希望した。

　ドクターチェックとドーピング検査を終えた新王者・李が控室で喜びの会見を行った。まず、作戦通りに動けたかと問われ李は「最初からアウトボクシングでと言っていましたが、打ち合いで接近戦も練習していた。尚且つアウトボクシングで動くこと。右アッパー、右ストレートは練習でやって来たことが出た。身体に染みついてました」と、足を使いながらのコンパクトな連打も作戦だったと語った。

　王者のプレスについては「ラウンドが進むに連れてドンドン強くなった。みんなの言うプレッシャーってこれかと思った。12ラウンドの長丁場、体力が持つかが心配だった。それと右を身体ごと打って来るから、これをもらったら大変だと思った」と話し、王者の圧力の強さと右の強さに驚いていた。

　ベルトを手にした感想を李は「こんなに重いんだと今、実感しています。関会長の墓前で世界王者になったことを報告します」と世界の証を見つめた。今後については「ベルトを獲ったことが信じられない。これからも石井会長と切磋琢磨して頑張ります」とし、最後に「これ(世界王座)を獲ったら人生が変わると言われた。これから僕の人生がどう変わって行くのか楽しみです!」と最高の笑顔を見せた。

　難攻不落のプーンサワットを下し、WBA世界スーパーバンタム級新王者となった李。同級には5位に東洋同級王者・下田昭文(帝拳)、4位に日本同級王者・芹江匡晋(伴流)がランクされている。果たして、李はいかなる防衛ロードを展開していくのか。"熱き拳"李冽理を中心に、世界スーパーバンタム級戦線は新時代を迎えた。