村中優「喜びと感謝を爆発させる」

　明日12日、後楽園ホールで開催される「オーバーヒート・ボクサーズナイト76」セミファイナルのリングでは、前回の試合で計量失格により1年間の出場停止処分を受けた前日本フライ級王者でIBF同級11位、WBO同級15位の村中優(30=フラッシュ赤羽)が1年ぶりに復帰する。

　村中は昨年4月、3度目の防衛戦で計量オーバーし、試合は行われ判定勝ちを収めるも王座は剥奪。半年間の出場停止処分が明けた10月の試合でも計量失格の失態を犯し、今度は試合中止と最悪な事態を招いてしまった。その後、コミッションからは1年間の出場停止処分を受けたが、毎月体重管理のレポートを提出するなど真摯な反省の態度を示し、特例により半年間に軽減された経緯がある。

　11日、都内で行われた前日計量に姿を現した村中は、Sフライ級超の53.0kg契約体重を100gアンダーでクリア。思わずガッツポーズを取り、久しぶりに晴れやかな顔を見せた。
　一時は引退まで考えていた村中だが、家族や周囲の支えで続行を決意。今回ばかりは減量方法を見直し、普段の摂生から徹底したという。「試合ができずに収入が減った分、毎日朝早くから夜遅くまで仕事をしなければならなかった。あまりボクシングに集中する時間は作れなかったが、それを乗り越えてきた喜びと感謝の気持ちをリングで爆発させたい」と話し、当面はSフライ級に上げると明かした。4団体で上位につけていた世界ランクは現在、IBF11位、WBO15位に落としたが、「これから村中の評価を上げていきたい。行けるところまで突っ走る」とし、明日のリングをリスタートと位置づけた。

　一方、対戦相手の石橋俊(28=仲里)は初回の計量で200gオーバーしたが3回目でリミット。調整は上手くいったが、東京に来る途中で味噌汁を飲んでしまいオーバーしてしまったと反省し、特製の『魔法スープ』で喉を潤した。明日で30戦目、東京での試合は3度目、3回目の計量でパスと笑顔を見せながら3づくしを強調した石橋は、「最大のチャンスに失うものはない。村中選手に勝って念願のランク入りを実現させたい」と強い決意を示した。