福原、無念のTKO負け

　内山&河野のダブル世界戦の前に行われた東洋太平洋スーパーフェザー級王座決定戦「WBA世界同級11位・福原力也(ワタナベ)VS東洋同級3位アラン・タナダ(比)」の一戦。福原にとって、世界を狙う上で負けられない戦いとなったが、対戦相手の18歳のタナダは11戦9勝(4KO)2分と無敗を誇り、これからのフィリピンボクシング界を牽引する若き有望株。試合は、タナダが開始から左フックで牽制すると、3Rには右ストレートで福原からダウンを奪い、ここから一気に福原に襲い掛かりレフェリーストップを呼び込んだ。

　新王者となったタナダは、控室での会見で「早くベルトを家族に見せたい。福原は良いボクサーで強かった。世界王座に挑戦したい」と会心のTKO勝利に笑顔を見せ、世界挑戦をアピールした。

　一方、TKO負けを喫した福原は医務室での診断を受け、控室で無念の会見を開いた。「初めて倒れた。(パンチの)近かったものもあったが、右ロングフックが見えずらかった。倒れた後は冷静ではいたし意識もハッキリしていた。でもああいう倒れ方も初めて。29戦やって足に来るとか、効いたっていうのはなかったが…。今までにないパターンだった」と悔しさを滲ませた。

　もう一度挑戦は、との問いに福原は「今は自分の不甲斐無さに…。もう一回というなら、何で今日やらないんだっていうもう一人の自分がいる。次なんて言ってられない。(タナダは)良い選手でした」と語り、今後について今は考えられないとした。

　福原の世界への切符を奪い獲ったアラン・タナダ。また新たなフィリピンパワーが誕生する結果となった。一方、福原力也の今後は…。