ガルシア戦望むブルック

　IBF世界ウェルター級王者ケル・ブルック(29=英)は26日(日本時間27日)、1位の指名挑戦者ケビン・ビジエール(31=カナダ)を英国シェフィールドに迎えて3度目の防衛戦に臨むが、その先の視線はWBC王者ダニー・ガルシア(28=米)との統一戦に向けられている。

　ブルックは14年8月に戴冠を果たしたが、翌月にバカンス先で暴漢に襲われ大腿部に刺傷を負った。リハビリを経て戦線復帰後に2度のKO防衛を果たしたが、昨秋には肋骨を痛めてディエゴ・チャベス(亜)とのV3戦をキャンセル。よってビジエール戦が10ヵ月ぶりのリングとなる。指名挑戦者を侮ることはできないが、両者の実力差は小さくないとみられ、オッズも19対1で王者有利に傾いている。こうしたなかブルックは「年内にガルシアと戦いたい」と統一戦に興味を示している。もともとブルックは元WBA、IBF世界スーパーライト級王者のアミール・カーン(英)との対決を希望していたが、そのカーンは5月にWBCミドル級王者サウル・カネロ・アルバレス(メキシコ)に挑戦することが決定。一方、カーンに4回TKO勝ちを収めたことのあるガルシアが今年1月にウェルター級のWBC王座を獲得したことからブルックの標的がガルシアに絞られたわけだ。IBF王座を持つ35戦全勝(24KO)の「スペシャル・ワン(特別な男)」とWBC王座に君臨する32戦全勝(18KO)の「スウィフト(俊敏な男)」の頂上対決。その実現に向けブルックはビジエール戦で圧勝することがノルマといえそうだ。