アブラハム側が興行権落札

　WBO世界スーパーミドル級タイトルマッチ、王者アルツール・アブラハム(35=アルメニア/独)対ヒルベルト・ラミレス(24=メキシコ)の興行権入札が13日、米国ニューヨークで行われ、アブラハム側が落札した。

　アブラハムを擁するサウアランド・イベント(SE)社と、ラミレスと契約を交わしているトップランク(TR)社は昨秋から交渉を続けてきたが、ドイツ開催を主張する前者と米国開催を目指す後者が譲らず、今回の入札に至った。13日の入札には上記二社が参加。両者の合計報酬として最低額が30万ドル(約3540万円)と定められるなかTR社が150万250ドル(約1億7700万円)を提示。SE社はそれをわずかに上回る156万3057ドル(約1億8440万円)を提示してイベントの開催権を落札した。王者の地元での開催の場合はアブラハムが75%、ラミレスが25%を受け取ることになるが、挑戦者側のホームでの開催になる場合はアブラハムの取り分が80%、ラミレスは20%になるという。
　この結果、TR社は4月9日に米国ネバダ州ラスベガスのMGMグランドガーデン・アリーナで予定しているティモシー・ブラッドリー(米)対マニー・パッキャオ(比)のWBO世界ウェルター級タイトルマッチのセミにアブラハム対ラミレスを組み込むことが難しくなった。しかし、SE社は同じ4月9日にベルリン(独)での開催を計画しており、まだ両陣営の話し合いでラスベガス開催の可能性も残されているという。6度目の防衛を狙うアブラハムは48戦44勝(29KO)4敗、サウスポーのラミレスは33戦全勝(24KO)。