スタイルチェンジ成功か?

　9日、後楽園ホールで「DANGAN145」の第6試合で行われた53.0kg契約8回戦で、阿知和賢(29=ワタナベ)と田部井要(30=宮田)が拳を交えた。戦績は五分の両者だが、手数とスタミナの阿知和にフルスイングの田部井という構図と予想されたが、試合は意外な形で進んだ――。

　10勝のうち7度のKOを誇る田部井が初回に右スィングで襲い掛かり、阿知和を後退させしかし先制したが、この日の阿知和は落ち着いた試合運びを見せた。角度を変えたジャブで翻弄すると、2回にワンツーでダウンを奪いペースを握るとその後は終始攻め続けるとダメージの深さを考慮した田部井陣営からタオルが投入された。

　旺盛な手数が売りのブルファイターから技巧派ボクサーに転身した阿知和は、控室で喜びを爆発させた。「スパーリングでカウンターが当たるようになったのでジャブからボクシングを立て直そうと思った」とスタイル変更のキッカケを語った。「ダウンを奪ったワンツーは練習した通りに出たパンチで手応えがあった」と満面の笑み。「初回に右フックをもらい少し効いてしまったが、冷静さを保てた」。今後の目標は「今度こそ日本ランカーになります!」と戦績をイーブンに戻すとともに10回目となる日本ランカー挑戦に意欲を示した。