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[試合後会見]2015.11.5

粉川が初回にダウン!

 5日、後楽園ホールで開催された「DANGAN144」のメインで、日本フライ級王者の粉川拓也(30=宮田)が同級1位の林徹磨(27=セレス)を迎え初防衛戦に臨んだ。両者は2012年4月以来の対戦となり、当時日本王座を保持していた粉川に挑戦した林は判定で敗れている。
 注目の対決は、粉川が早くもスピードの乗ったジャブから右を返し、好調な立ち上がりを見せたが、1分過ぎに踏み込んだところを林に左フックを合わされダウンを喫した。
粉川が初防衛に成功
 だが、粉川にダメージはなく、ここからジャブを突いて組み立て直すとワンツー、フックで押し返し、4回には右アッパーで林の動きを止めパンチをまとめた。前半、初回のダウン以外は粉川がポイントを取り、5回終了時の採点を48-46,48-46,48-46のリードで折り返した。このジャッジを聞いて圧力を増した挑戦者だが、王者もスピードジャブから抜群のコンビネーションでペースを譲らず。林は必死の形相で追い上げたが、最後は粉川に逃げ切られ終了のゴングを聞いた。判定は96-94,97-93,97-93の3-0と粉川が最大4P差をつけ、王座奪還後の初防衛に成功した。
気負ってしまったと林
 3度目の正直も悲願達成とならなかった林は「最初にダウンを取れたので、パンチの感触が残ってしまい力んでしまった。大一番に弱い自分が出てしまった」。「(粉川は)前回よりやりやすかったが、今回の負けはとにかく自分の気持ちの弱さが出たのが悪い」と反省の弁が続き、今後に関しては「これまで夢を追ってきたが自分だけで決められる問題ではない。家族と話し合って決める」と明言を避けた。最後は結果を出せなかった自分を責めるように、「情けない」とため息混じりの言葉をもらした。
採点表
 一方、控え室に戻るなり右手の親指を押さえた粉川。序盤に突き指をしたらしく、「過去に練習でやってしまい癖になっている」と痛みを堪えていた。そのため、今日は左中心の組み立てとなったが、「ジャブが上手く出せた。気を抜いたところでもらい倒れてしまったが、序盤だったので焦りはなかった。林選手は3年前より強くなっていたが、予想していたほど前に出てこなかった。自分も中に入らせない練習をしてきたので、その成果が上手く出せた。勝てて良かった」と安堵の表情を浮かべ喜んだ。
右手親指の痛みにバンデージを切ってもらう粉川
 初防衛に成功した粉川は、来年のチャンピオンカーニバルで、先日の最強後楽園を制し出場権を得た日本同級2位の黒田雅之(29=川崎新田)を迎えることになった。黒田とはかつてスパーリングで拳を交えた経験のある粉川は、その時の印象を「フィジカルの強さを感じた」と話し、次をクリアして世界のチャンスに結びつけたい、「チャンスがあるなら階級を落としても構わない」と世界再挑戦への意欲を示した。
試合を観戦した黒田
 また、リングサイドでは対戦予定の黒田が観戦。王者について「トリッキーな動きで要所要所でポイントを取り、ジャッジにアピールするのが上手い」と評価し、その上で「これだけ実績のあるチャンピオンに勝てば認められる。それまでにどれだけ練習を積めるか」と挑戦を心待にした。

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