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[発表会見]2015.7.10

山中のV9戦は幽霊退治!

 10日、WBC世界バンタム級王者の山中慎介(32=帝拳)が都内で会見を開き、9月22日(火)の東京・大田区総合体育館でWBA世界同級王座を12度防衛した元スーパー王者のアンセルモ・モレノ(30=パナマ)を迎え、9度目の防衛戦を行うと発表した。当日は、日本テレビで地上波中継される予定。
モレノをまともに捕らえた選手はいないと山中
 戦績39戦35勝(12KO)3敗1分、技巧派のサウスポー・モレノは、スピードを武器に打たせずに撃つボクシングで08年5月から約6年間、WBA王座を保持。7度防衛した後、スーパー王者に認定された。これに伴い、亀田興毅(日本)が決定戦を制し正規王座を獲得し、WBAは暫定との統一をはたした亀田と統一戦を指令したが合意にいたらず。その後、亀田はSフライ級に転向し王座を返上した。
防衛回数よりも質をもとめる帝拳ジム
 亀田戦が流れたモレノは、13度目の防衛戦でアテネと北京の五輪出場経験を持つ元トップアマ、同級2位ファン・カルロス・パヤノ(ドミニカ共和国)と昨年9月の指名試合に臨んだが、6回負傷判定負けを喫し王座から陥落。だが、盛り返しはじめたところでの裁定だけに、会見に出席した帝拳プロモーションの浜田剛史代表は、「続けていればモレノが勝っていた内容で、バンタム級では山中と1、2を争う実力者。誰とやっても相手を下手に見せてしまい、山中の力を発揮させない上手さがある」と高く評価。大和心トレーナーも亡霊の異名を誇る挑戦者に対し、「上体が柔らかく、ロングでも中間距離でもしなやかに動きパンチを繰り出してくる。しっかりと対策を取らないと勝つのは難しい」と警戒した。
今度は本物の幽霊
 リスキーな挑戦者と周囲が心配するなか、山中は「久しぶりにテンションが高まる試合」とまずは感謝。「前回の相手(ディエゴ・サンティリャン/アルゼンチン、7回KO防衛)も幽霊とか言われていたが、今回が本物(笑)。幽霊をきっとりと退治したい」と笑いを誘い、会見を和やかなものに変えた。
神の左がゴースト退治!
 だが、挑戦者の印象を聞かれるとやはり神妙な顔つきとなり、「強いというよりやりにくい。不用意に入ると自分が空回りさせられる可能性が高い。左も単発じゃなく、2発、3発と当てないと倒れないでしょう。今回はより右が重要になってくるはずなので、左を効かせるためにも右を当てていきたい」と気を引き締めた。
PFPの実力を発揮したい!
 5月には米国有力紙でパウンド・フォー・パウンドにも選ばれ、ランクも上昇中。最後に山中は「魅せなけらばならないとプレッシャーは感じるが、自分には技術とパワーがある。その実力があると証明したい」と意気込み、会見を終えた。
 試合まで2ヶ月半。まずは今月12日から18日まで、同門の世界王者・三浦隆司と沖縄キャンプをスタートさせ、その後モレノ対策を本格始動させる。世界的にも高い評価を受ける山中とモレノの「事実上の統一戦」ともいえるV9戦。かねてよりアメリカ進出を希望する山中だけに、勝てば世界的に大きなアピールになることは間違いない。

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