内山が公開スパーリング!

　17日の初防衛戦を目前に控え、WBA世界スーパーフェザー級王者・内山高志(ワタナベ)が11日、都内ワタナベジムで公開スパーリングを行った。
　会見後、ワタナベジム渡辺会長は、内山の調整具合を確認する為か自らリングに上がり、内山のスパーリングの相手を務め周囲を驚かせていた。
　また、挑戦者グラナドスのマネージャー、ラファエル・モロン氏も敵情視察に訪れ、内山の一挙手一投足に鋭い視線を送っていた。

　スパー前の会見では、王者・内山と渡辺会長が揃って質問に答えた。今の心境を尋ねられた内山は「いつでも状態はバッチリです。早く試合がしたいですね。初防衛って事は気にしない。挑戦者の気持ちで行くだけ」と意気込んだ様子は見られなかった。王者としての自覚は芽生えたか、と問われ「応援してくれる人達が倍になった。色んな気持ちを背負ってるし欲が出て来た。沢山防衛したくなった」とコメント。

　さらに、長身の挑戦者対策を聞かれ内山は「185cmはなかなかいない。180cm前後でスパーを重ねたが、戦ってみないと分らない」と、仮想グラナドス探しが難航した事を明かした。試合展開については「距離が遠そうだがしっかりガードを固め、ジャブとボディを折り交ぜる。スパーで距離感は掴めつつある。サルガド戦のKOは意識しない。お客さんはKOを観たいでしょうが、無理せず自分のボクシングをして勝ちます」と勝利を宣言した。

　ここで渡辺会長が今の心境を求められ「私自身が一旦燃え尽き症候群になった。だけど初防衛戦が近づき気持ちも昂ぶってきた。内山が1月のパワーを維持出来れば王座防衛も続くだろう。早めのKOで勝ちしたいが、TVの事を考えれば9、10Rに倒してもらう(笑。そうすれば視聴率も上がるでしょう」と余裕を覗かせた。渡辺会長の視聴率アップ発言に内山は「視聴率を考えるそんな余裕ないですよ(笑。常に油断せず、僕は勝つだけ」と苦笑いを見せていた。

　公開スパーでは、内山と渡辺会長との師弟スパーが行われた。内山はミドル級で活躍した渡辺会長のパンチを巧みにディフェンス。逆に、内山がパンチを打ち込もうとすると、渡辺会長のTKOを宣言が入り、師弟スパーは内山に軍配が上がった。
　内山と手合せした渡辺会長は「世界王者と戦う夢が叶ってうれしいね(笑。内山が間違いなく倒す!!ボクシング界の正統派として、防衛を重ねて行ってくれるでしょう」と、内山に"日本のエース"への成長を願った。
　一方、内山は「(会長は)大きかったですね。これでグラナドス対策は90%大丈夫。会長が巧い事をいってくれているので17日は勝てるでしょう(笑」と改めて勝利を誓った。

　その後、17日にフェルナンド・オティック(比)と対戦する同門の日本スーパーフェザー級1位・福原力也と2Rのスパーを公開。決戦前とあってマススパー程度に抑えるも、両者はスピードの乗ったパンチを交換し、順調な仕上がりをアピールしていた。
　初防衛戦を一週間後に控え、終始明るい雰囲気で行われた公開スパー。"KO Dynamaite"内山高志が新たな"日本のエース"を目指し、世界王者としての第一歩を踏み出す。