江畑!豪華スパー

　17日の5大メインイベントのひとつ、WBA世界女子スーパーフライ級タイトルマッチで、女王天海ツナミ(山木)のベルトに挑む同級1位の挑戦者・江畑佳代子(ワタナベ)が、決戦一週間前の今日10日、所属する五反田のワタナベジムで公開スパーリングを行った。スパーの相手には、同ジム所属のWBC女子世界ライトフライ級女王・富樫直美選手が務め、スパー後に両者がコメントを寄せてくれた。

　順調に調整を続けてきた江畑は、公開スパー(2分2回)でクロス、ワンツーとボディの組み立て等、感触を確かめていた。記者団に対し「減量も特に苦はなく、猛練習と朝のロードワークで自然と体重を落としている」と話し、「肌ツヤも良い」と笑顔を見せた。

　格闘技好きのお兄さんの影響で19歳からボクシングを始めたという江畑は「15年間のボクシング人生で最高の試合を兄に見せたい」と語った。試合に関して「(世界女王)ツナミさんのアグレッシブさに負けないように戦う」とし「この試合に向けてトレーナーとも対策を練ってきた」と自信を覗かせた。もう気合が入っている、と話す江畑を見守るワタナベジム会長は「(江畑は)ややボクサーよりのボクサーファイター。自分のペースで試合が進めば勝算はある」と話し、アマチュア時代には同ジム所属の女子世界王者富樫選手よりも先にチャンピオンになっていることや、初代女子バンタム級王者に輝いた実績をはじめ、日本代表でアジア大会に出場した経験など、アマ、プロを通じて戦歴豊富なボクサーであることを明かした。
　女子最高峰の二人の対決とあって江畑は「女性ファンにはかっこいいところを見てもらいたい。少しでも多くの女性にボクシングを始めてもらうきっかけになるような試合にしたい。男性ファンには女子の試合も面白い、と思ってもらえるような試合にしたい」と抱負を語った。自身も話すように世界戦のチャンスは多くはない。最後に江畑は「年齢的にもこれがラストチャンス。いい試合だけでは満足しない。(苦労もあったが)これまで続けてきたのでこのチャンスをつかみたい」と2年前の世界戦失敗の雪辱に闘志を見せた。

　スパーリングで拳をあわせた世界女王富樫は「ちょうど一ヶ月前に自分も世界戦をしたところなので、これまでスパーの相手をする機会がなかったが、(今日やってみて)いい状態まで追い込んできていると思う」と話し、仕上がり具合についても「スピードもあって、いいイメージを持てている。(江畑の)勝ちパターンを作っているように思えた」「試合ではいいものが見られることを期待している」とエールを贈った。