粟生「ワクワクしている」

　4月6日で31歳になる粟生隆寛(帝拳)の3階級制覇挑戦が決まった。2日、都内の所属ジムで会見を開いた粟生は、5月1日(日本時間2日)に米国ネバダ州のコスモポリタン・オブ・ラスベガスで開催されるWBO世界ライト級王座決定戦に出場することを発表した。

　当初、1位のファン・ディアス(米)と王座を争う予定だったが、ディアスが左肩負傷により戦線を離脱し、5位のレイムンド・ベルトラン(33=メキシコ)に決定した。ベルトランはデビューからの16年間でフェザー級からライト級で5つの地域タイトルを獲得。世界挑戦は今回が3度目で、昨年11月のWBO世界ライト級王者テレンス・クロフォード(米)戦に続き、2戦続けてのアタックとなった。戦績は37戦29勝(KO17)7敗1分。

　ベルトランの印象について粟生は「ファイターだが頭から来るような選手ではないので、戦いやすいとは言えないがやりにくくもない。中間距離を保ち、行くところではしっかり攻めたい」とコメント。また、「海外での世界戦にプレッシャーではないが良い感じの緊張感は持っている。ワクワクしている」と夢の3階級制覇に向け自信を口にした。

　前回のWBC世界スーパーフェザー級王座陥落から2年半。ライト級での挑戦は3年待つと覚悟していた粟生は、「気持ちを腐らせることなく、いつチャンスが来てもいいようにモチベーションを維持し続けてきた。早く決めてくれた会長に感謝したい」とも話した。

　また、興行をプロモートするトップランク社と契約し、今回の粟生vsベルトラン戦から番組を制作するアメリカのケーブルテレビ局「Tru TV」のスタッフクルーが来日し会見に参加。試合前に流す選手紹介映像を撮影していた。粟生の世界戦の前日には、東京・大田区総合体育館で粟生の同門、WBC世界スーパーフェザー級王者の三浦隆司(30)の4度目の防衛戦と村田諒太(29)の世界ランカー対決が、翌日にはフロイド・メイウェザー(米)vsマニー・パッキャオ(比)の"メガファイト"が同地のMGMグランドガーデン・アリーナで行われ、TruTVクルーは「世界中でボクシングに注目が集まる週末で、中継も夜9時〜10時台ともっとも盛り上がる時間帯」と粟生を煽った。この異例の注目に粟生は「勝っても影が薄くならないよう、良い試合をしないといけない」と気を引き締めていた。

　会見後の練習では、再びタッグを組んだ田中繊大トレーナーとみっちり汗を流し、取材陣に好調さをアピールした。なお、試合の模様はWOWOWのメンバーズオンデマンドでライブ配信される。