「スピードと足」がカギ

　WBO世界ウェルター級王者マニー・パッキャオ(35=比)の初防衛戦が11月23日(米国時間22日)、中国特別行政区マカオで行われる。この試合を前にパッキャオは挑戦者のWBO世界スーパーライト級王者クリス・アルジェリ(30=米)とともに25日、マカオで会見に応じた。これを皮切りに両者は12日間のプレスツアーに出かける。

　会見には両選手のほかにトップランク社のボブ・アラム・プロモーター、アルジェリ側のジョー・デガーディア、アーチー・ペルーロ両プロモーター、さらにパッキャオ側のフレディ・ローチ・トレーナー、アルジェリ側のティム・レイン・トレーナーらが出席した。この6月まではまったくの無名選手だったアルジェリだが、パッキャオの対戦候補のひとりだったルスラン・プロボドニコフ(露)に勝って急浮上。一気に大舞台に上がるチャンスをものにした。その試合をリングサイドで観戦したパッキャオは「彼(アルジェリ)はルスランのパンチをたくさん浴びていたけれど、タフだと感じた。背の高い彼は距離をとったボクシングをするので、私はスピードとフットワークを生かして戦うつもりだ」と策の一端を披露した。また、試合ではプロボドニコフのコーナーについていたローチ・トレーナーは「ルスランが勝ったと思ったので驚いた」と話し、身長で約10センチ勝るアルジェリについては「彼にはリーチのアドバンテージがあるので、こちらはジャブをかい潜っていく必要がある。それが一番の課題になるだろう」と分析している。戦績はパッキャオが63戦56勝(38KO)5敗2分、アルジェリは20戦全勝(8KO)。このあと両選手と関係者は上海、米国サンフランシスコ、ラスベガス、ロサンゼルス、ニューヨークなどを巡ってイベントのPRに務めることになる。オッズは12対1でパッキャオ有利と出ている。