[一夜明け会見]2025.2.25
堤聖也! ダウン応酬の死闘を振り返る。
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WBA(世界ボクシング協会)バンタム級王者の堤聖也(29=角海老宝石)が25日、東京ドームホテルで一夜明け会見に出席し、同級4位の比嘉大吾(29=志成)とのダウン応酬の死闘を振り返った。
右目上の傷を隠すため、サングラスをかけ会見に臨んだ堤は「何とか生き残ることができて安心している。悔しいですけどね」と引き分けに終わった自身の初防衛戦に対する複雑な心情を明かした。
試合前、奇しくもボクシングの名作映画「ロッキー」を見て士気を高めていたことを強調。「2人ともロッキーみたいな試合でしたね」と、自らのパフォーマンスについて語った。
「石原さん(石原雄太トレーナー)と、8ラウンドの時点でイーブンだったら(後半に追い上げて)勝てると話していたが、結果的にドローになった。トライできる場面と慎重になりすぎる場面があり、序盤から中盤は課題が残った。終盤はいつものボクシングができた」と述べた。
ボクシング人生初のダウンにも冷静に対処していた堤は、「ポイントを取られていると思ったので、リスク覚悟で攻めに行った中でもらったパンチで、フワッと倒れる感覚があった。『あっ、これがダウンか!』と感じた。ダウンした時のことも想定していて、レフェリーのカウントもしっかりと聞こえていたので問題なかった」と振り返ると、「比嘉が来ると思ったので、流れの中で右カウンターを出した」と、起死回生のダウンシーンを振り返った。
堤は「命からがら生き延びた」と率直な心境を語りつつも、「前回のノンタイトル戦のドローとは違う。前回は自分は何も得られなかったが、今回は初防衛を果たした。4年前のドローとは、そこに大きな差がある、」と力強く語った。
3度目の対戦は否定
試合後には比嘉から「近いうちに会おう」と連絡があり、食事に行く約束をしたという。2戦続けてドローになり3度目の対戦について聞かれると、「もういいでしょう」と明確に否定した。
石原トレーナーは「今回の試合前にはモチベーションなどのアップダウンがあったが、ドローであったとはいえ、気持ちは見せることができた。作戦は上手くいかない部分が多かったが、後半に巻き返すことができたのは収穫」と評価した。
今後、やりたいことを聞かれると「減量中に焼き菓子を作っていたので、休み中にもっと楽しみたい」と堤らしい答えが返ってきた。激戦で疲れた心と体をしっかりと休めるため、しばし休息に入る。
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