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WBC(世界ボクシング評議会)スーパーフェザー級3位で、今年3月にWBCシルバータイトルと世界挑戦権を獲得した力石政法(30)が2日、横浜の大橋ボクシングジムで会見を開き、本日付けで、同ジムに移籍したことを発表した。
会見の席で力石は、「今日付けで、大橋ジムの一員となりました力石政法です。伝統あるジムで、偉大な先輩方もたくさんいるジム。せめて足を引っ張らないようにしたい。移籍を快諾してくれた松尾(敏郎)会長と、受け入れてくださった大橋(秀行)会長に、恩返しできるようにがんばりたい」と感謝の気持ちを伝えた。
移籍に至った経緯に関して力石は、「3150 FIGHTの専属契約を解消して、今後のことを松尾会長と話していたら『お前の好きにしていいよ』と言ってくれたので、世界戦をするのも難しい階級で、チャンスも一回しかないと思っているので、世界チャンピオンになるためには、と考えた結果、大橋ジムに移籍するのが最良の選択だと思った。チャンスが1回というのは、年齢もあるし、階級もある」と説明した上で、「漠然とちょっと限界かなというのは薄々、前回の試合前から考えていたが、3150 FIGHTとの話し合いで、契約を解除してから色々考えるようになった」と、積極的なサポートを求める力石には、葛藤があったことも明かした。その上で、「練習環境とかマッチメイクの問題であったり、やっぱり、そういうことで後悔したくないので、日本で素晴らしい環境といったら、僕は大橋ジムだと思っているので、そこで悔いなく挑戦したいという気持ちになった」と、大きな決断に踏み切った理由を語ってくれた。
会見に同席した大橋会長は、「出稽古にもきて、溜田(剛士)とのスパーリングなど、練習は見ていたけど、その後、試合を何試合か観るようになって、格段に強くなっていたので、伸びているなという気がした。出稽古の前にも、子供の時に兄弟で(大橋ジムに)来ていて、よく覚えていた。この階級は、一度しかチャンスがないと言っていたが、2度でも3度でもチャンスは作るつもりでやっていく」と、力石の熱い気持ちをしっかりと受け止めた。これには力石も「大橋会長の言葉はとてもありがたいが、1試合1試合、人生全てを賭けているので、次があるからという気持ちを作るつもりはさらさらない。一発で獲りたいと思っている」と強い覚悟を口にした。
今後に関して大橋会長は、「予定としては、10月の試合をやって、その後、年内になるか来年になるか未定だが、世界挑戦できればと思っている」とプランを明かした。
愛知を愛してやまない力石は、引っ越しはしていないというが、「松尾会長にも大橋会長にも許可をとったが、試合が決まれば大橋ジムを拠点として練習して、オフの期間は名古屋に戻って、緑ジムで練習する形になると思う。割合はわからないが、オフの期間の長さにもよる」と、今後の練習環境を整える。大橋会長は、「試合の2ヶ月前にホテルに滞在して試合に臨む」とも話した。
大橋ジムのバックアップ体制は、固まりつつある。大橋会長によると、岡田誠一トレーナーと鈴木康弘トレーナー、フィジカルは八重樫東トレーナーが担当する。
横浜の印象を、「欲望の街」と答えて笑いを誘った力石は、メリハリをしっかりするタイプと自身を分析した上で、オフとなる試合の後には、欲望の街に足が向くのではという記者の質問に「その可能性はありますね」と笑顔で答えた。