■オラスクアガ選手のことは以前から意識していましたか?
桑原 そうですね。同じ階級の世界チャンピオンですし、戦ってみたらどうなるかな、と想像してみると、お互いが噛み合ってすごく面白い試合になるなと思いました。前からやってみたかったので、会長に伝えました。
オラスクアガとは噛み合う
■最近のオラスクアガ選手の印象を教えてください。
桑原 バッティングで終わっちゃったり、直近の試合は、序盤で終わらせたりとか勢いがあってエンジン全開だなってイメージです。最初から来るんじゃないかなと思います。
■京口紘人選手との一戦では、オラスクアガ選手は足を使った攻撃を見せました。
桑原 あの試合のオラスクアガ選手は、京口さんがそこまでガンガンいかなかったので、それで戸惑っているのかなと思いました。それでも見せ方は上手いなと思いました。寺地さん(寺地拳四朗=BMB)とやった時にも、攻撃力だけじゃないテクニックを見せていて総合力の高い選手です。
■12ラウンドのどこかで打ち合う場面も出てくると思いますが。
桑原 アウトボクシングだけでは世界は獲れないのは、前回の世界タイトルで痛感しているので、何か一つ二つ変えていかないと。自分が思い描くボクシングだけでは、絶対に世界は獲れないと思っています。なのでトレーナーや周りの人の話を聞いて取り入れています。
■世界戦後は、なかなか存在感という意味では少し薄かったかもしれません。
桑原 去年負けてから、今年やっと再起戦をして、ここからだという時に怪我をして。全然良いことがない年だなと思っていましたが、最後の最後にチャンスが回ってきたので、大ドンデン返しをしますよ。世界チャンピオンになって最高の年越しをしたいですね。
■那須川天心vs井上拓真戦の前の映像で、拓真選手と同世代の1995年生まれの堤聖也選手、田中恒成さん、比嘉大吾選手、岩田翔吉選手、ユーリ阿久井政悟選手が出ているのを見て、(まだ世界チャンピオンじゃない自分に対して)悔しかったと。
桑原 悔しい気持ちもあるし、うれしい気持ちもあるし。小学生から知り合いの選手もいるし、高校時代はしのぎを削って。長い年月、ボクシングをやってきたんだなってしみじみと思いました。
■もちろん、攻略に自信はあると思いますが。
桑原 ずっとやりたかったですからね。勝つイメージしかないです。舞い上がってもいません。張り切りすぎると、怪我につながりますので。
■そこを抑えてくれる松本好ニトレーナーの存在は大きいですよね。
桑原 本当にそうです。いつもやり過ぎるところを抑えてくれるので。