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[特集]インタビュー
2025.12.3


■桑原選手が勝てば、松本トレーナーとしても3人目の世界チャンピオンです。
桑原 川嶋さん(川嶋勝重氏)や八重樫さん(八重樫東トレーナー)も、2度目の挑戦で世界を取っているので、自分も2度目でなんとしても獲りたい。

必要なのは度胸

■ベルトを奪うために必要なことを教えてください。
桑原 度胸です(キッパリと)。オラスクアガ選手と向かい合った時の度胸。ユーリ戦の時はダメージで頭が痛くてどうしようもなかった。



■あの試合、ユーリ選手のプレスが強くて流れを変えられない中、どのようなことを考えていたのでしょうか?
桑原 どこかで利かせて取り返すしかないなと思っていました。起死回生の一発にかけていました。しかし、手数とスピードで打ち勝ちたいという気持ちもあったので打ち合いにも応じましたが、頭が痛くて脳が勝手にストップするというか、気持ちは前に行きたいのに行かせてもらえませんでした。

■当日は堤選手、ユーリ選手といった同世代との興行になります。
桑原 楽しみですし、感慨深いです。そして、ドネアというレジェンドも出るので。僕が子供の時に出ていたすごい選手ですから。両国国技館でも戦ってみたかったので、全てがモチベーションになっています。



■当日はどのような試合を見せますか?
桑原 前回(ユーリ戦)は不甲斐ない試合をしたと思われているので、「桑原は、こんなもんじゃないぞ」というところを見せます。どんなかたちであっても、自分のスタイルを捨ててでも、勝ちにいきます。

■どうもありがとうございました。



「ボクモバの目」
 桑原は、言葉の端々に「覚悟」と「成熟」が滲んでいた。かつては気持ちの熱さが前のめりになり、技術とメンタルの嚙み合わせが崩れることもあった。しかし今回は、敗戦を挟み、怪我を越え、再起からここに至るまでの道のりが“芯の強さ”として身体に宿っているようだった。オラスクアガは、勢いと破壊力を備えた難敵だが、桑原の語る「度胸」という言葉の重さが、今の彼を象徴している。迷わず、怯まず、恐れず。世界戦の場でこそ花開くタイプだと強く感じた。1995年組が次々と結果を出す中で、桑原が感じる悔しさと喜び。その複雑な感情はきっと当日、拳の推進力へと変わるだろう。
<取材・構成/やすおかだいご>
<写真/YUSUKE・Nakasuke>

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