WBO(世界ボクシング機構)フライ級4位の桑原拓(30=大橋)は、12月17日(水)、両国国技館で開催される「U-NEXT BOXING.4」で王者のアンソニー・オラスクアガ(26=米)に挑戦する。

　当初は12月18日(木)にノンタイトル戦を予定していたが、飯村樹輝弥(27=角海老宝石)が負傷したため、挑戦を辞退。決戦1ヶ月前にビッグチャンスが舞い込んできた。

　オラスクアガは、強打を武器に防衛ロードを歩んでいるチャンピオンだが、桑原は自信満々だ。世界初挑戦で味わった悔しさ、怪我で停滞した2024年、そして堤聖也とのハイレベルなスパーで研ぎ澄まされる攻防。成熟した桑原は今、己を壊し、新たな自分をつくる覚悟でリングに向かう。

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■本日(取材日:11月21日)は、堤聖也選手(角海老宝石=WBA世界バンタム級王者)とのスパーリングでしたが、今回で何回目でしたか?
桑原 3回目です。2回目まではDANGANジムに行かせてもらっていたのですが、今日は大橋ジムに来てもらいました。今日はやられました。自分の中でスタイルを変えて「これはどうかな?」と試してみました。向こうも変えてきたので、そこのハマり具合で今日は良くなかったです。

■1〜2ラウンドは、良い感じでしたが、3ラウンド以降は攻め込まれて。5ラウンドの途中からもう一度ギアを上げていました。
桑原 何度も手を合わせているので、お互いにやられて嫌なことや癖がわかっているので。最後は修正まではいかないですが、ちょっと頑張ったかなと思いました。

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■堤選手は、2階級上の世界チャンピオンですから。
桑原 今日はすごくパワー差や階級差を感じたなと思いました。前回と前々回は減量に入る前だったので、パワーに満ち溢れていて、そこまで階級差を感じませんでしたが、今日は圧を感じました。

■ロードワークをしている時に大橋会長から、電話が鳴って世界戦の話を聞いたと。
桑原 はい。会長から着信があるなんて滅多にないので、あれっ?と思って出て、オラスクアガ選手と飯村選手の名前が出た時に、「そういう話(代役での世界戦)なのかな」と思いました。そしたら本当にそうだったので即答しました。

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■迷いはなかったですか?
桑原 ないです(キッパリと)いつでもやれる準備はしていましたので。

■12月にノンタイトル戦を予定していましたが、急遽決まった世界挑戦。心持ちは違いますよね。
桑原 そこに向けてやってきたことに変わりはありません。どんな試合でも必死でやっているので、そういう意味ではタイトルが掛かっていようと、いなかろうと本気度は変わりません。

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■ユーリ阿久井選手に挑戦した時は、リベンジの意味合いもあり、気持ちが入り過ぎていましたが、今回は落ち着いている印象です。
桑原 1度、世界タイトルマッチを経験したのは大きいと思います。良い意味で試合に向けて、淡々と取り組んでいます。今日のスパーリングの内容は悪かったですが、それまでは良かったですし、落ち込むことはないです。試合に向けていろいろなことを試している最中なので。

■一喜一憂するのではなく、12月17日に最高潮に仕上げることが先決ですよね。
桑原 今日、試したことはダメだったので次はこれを試してみようと。

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