■野上選手は、長崎県出身ですが、高校から始めたのでしょうか?
野上 長崎の山奥にあるフィットネスジムで小学生から始めました。その時は小学生が自分だけで高校生が2〜3人、あとは大人が数人という環境でした。高校では部活がなかったので、練習相手は軽量級の女子しかいなかったので、ほぼ実践練習をせずに戦っていました。
■それでも全国トップまで成長を遂げたのですね。
野上 父からは「全国大会に優勝しないと大学に行く意味はない」と叱咤されていたのでどうしても優勝したくて、選抜大会で優勝しました。
■自身のストロングポイントを教えてください。
野上 全部が〇(マル)。悪い言い方をすると、全部は普通です。どこかの項目を上げたいのではなく、理想は丸を大きくしたい。
■次戦の位置づけを教えてください。
野上 地元が応援してくれているので、プロとして形を残したい。もちろん負けるわけにはいきません。ベルトを獲って感謝の気持ちを伝えにいきたい。今回は形を残すための試合。
■では、試合への意気込みをお願いします。
野上 10ラウンド全部、ポイントを取るつもりで、その気持ち戦ったら途中で倒せると思っている。判定まで行くつもりはありません。
■どうもありがとうございました。
「ボクモバの目」
野上が持つポジティブな姿勢と向上心の高さに感銘を受けた。まだ若く、経験もこれから積み重ねていく段階になるが、一つひとつの試合や練習から何かを吸収し、確実に進化し続けている姿勢が印象的だった。大橋秀行会長が平岡や田中空とのスパーリングを見て、「彼ならやってくれる」と抜擢した日本チャンピオンへの挑戦。急成長を遂げている野上が8月21日に大輪の花を咲かせる。
<取材・構成/やすおかだいご>
<写真/YUSUKE・Bobby・Nakasuke>