05年4月、36歳のウィラポンを攻略したのが長谷川穂積(千里馬神戸⇒真正)だ。サウスポーの長谷川は前半をリードしたものの中盤で追いつかれ、勝負は終盤に持ち越された。ここで12歳若い長谷川がロングラン・チャンピオンを突き放し、堂々とウィラポン越えを果たした。このあと長谷川も5年間に10度の防衛を重ねて一時代を築いた。
特筆すべきはV6戦からV10戦まで5試合続けてKO防衛を果たしたことである。しかも2回、2回、1回、1回、4回と短いラウンドで仕留めるというデータ上の特徴がみられた。
WBCの枠に収まり切らなくなった長谷川は10年4月、WBO王者のフェルナンド・モンティエル(メキシコ)と拳を交える。5連続KO防衛中の長谷川と、世界的な評価も高い3階級制覇王者モンティエル。日本武道館が異様なムードに包まれるなか始まった試合は、3回まで長谷川がリードを奪った。ところが4回終盤、モンティエルの左フックが炸裂して急転。後続打を浴びた長谷川はロープにもたれてレフェリー・ストップを言い渡された。