日本ウェルター級13位の野上昂生(のがみ・こうせい/24=大橋)は、8月21日(木)、後楽園ホールで開催される「Lemino BOXING フェニックスバトル141」のセミファイナルで、王者のセムジュ・デビッド(32=中日)に挑戦する。
野上は、アマチュア67戦49勝18敗を経て、2023年7月にデビューを果たすと、今年3月に移籍初戦を勝利で飾った。チャンピオンのセムジュは、東京五輪ウガンダ代表の実績を持つテクニシャンでここまで2度の防衛に成功しているオールラウンダーだ。
野上は、さらなるレベルアップを図るため、新たな取り組みを行っていた。
■本日の取材(7月1日)は、昼間からになりますが。
野上 根本さん(根本トレーナー)に見てもらっているのですが、週に1〜2回、アンディさん(平岡アンディ)と練習をさせてもらっています。普段は、自分がジムに来る時間にアンディさんが練習をしており、世界に向けた練習を見ていている中で、ずっと同じ練習だと成長につながらないのかなと思い、前回の試合が終わってから参加させてもらっています。
■階級が近く、同じサウスポーの平岡選手の練習を見ていて感じることはありますか?
野上 積み重ねの大切さを学んでいます。長年アンディさんとジャスティスさんでやっているからこそ、技術もフィジカルもできているんだなと思いました。自分に足りないところを補いながら早く追い着きたい。ジャスティスさん(ジャスティス・コジョトレーナー)のアドバイスを聞いて、アンディさんにスパーリングでやられるのはこれが原因なんだなと。
■気づきがあったのですね。
野上 説明を聞きながら「こういう理由なんだな」と思いました。同じサウスポーでタイプもめちゃくちゃ似ているわけではないですが、近いアンディさんと練習することで、吸収できるところはしたい。
■タイトルマッチの話を聞いた時、何をしていたのでしょうか?
野上 練習中に会長から、「セムジュとのタイトルマッチが決まったから」と言われました。最初は前回の試合内容があんなだったのに」と思ってので、最初は驚きましたがうれしかったです。できるだけその感情は出さず「ありがとうございます」と言いました。
■ここ2戦、アピールという意味では自身も納得は言っていないと思いますが。
野上 そうかもしれません。デビュー5戦目でタイトルマッチというチャンスをいただき、最短で経験を積むための2戦なので、良い場面もあったり、ダメな部分もあったりです。経験としてはまだ4戦、自分の中ではそれが当たり前だと思っています。4戦全部KOできたからといって世界に近づいているかといえば、そうは思いません。あの苦戦が成長につながっていると思います。
■なるほど。
野上 もちろん、試合が終わった直後や翌日は、(試合内容に)悩みましたが、リセットしています。ジムを移籍して、環境が変わったり初めて冬に減量したり、体が大きくなって減量しながらいつもと違うなと思ったり。頭の中で整理した上で成長していないわけではないと思いました。