元日本・WBOアジアパシフィック・スーパーライト級王者の井上浩樹(30=大橋)は、2月16日(木)に後楽園ホールで開催される「フェニックスバトル97」スーパーライト級8回戦で、タイ国ライト級2位のパコーン・アイエムヨッド(タイ)を相手に約2年7ヶ月ぶりの復帰戦に臨む。
2020年7月に永田大士(三迫)に敗れて日本王座を陥落。初黒星を喫するとグローブを吊るした。井上尚弥(29=大橋)の海外遠征に帯同しサポートするなどしていたが、リングに上がることはなかった。しかし、昨年2月にカムバックを決めると、約1年かけて再起戦に向けて準備を進めていた。
復帰を決意した理由、経緯など井上にじっくりと話を聞いた。
井上 明けましておめでとうございます。今年”は”よろしくお願いします!
■こちらこそよろしくお願いします。先ほど、すさまじい追い込み練習をしていましたが、どのくらいのペースでしているのでしょうか?
井上 3日に1回です。康さん(鈴木康弘氏)に1ヶ月に2週間来てもらっています。これは試合前にする、耐乳酸トレーニングといって、乳酸に耐性をつける。疲れてもすぐに回復するというトレーニングです。試合中、コーナーに戻った時にどれだけ体力を回復させられるか。
■効果のほどは、いかがですか?
井上 まだ3回目ですが、1回目より疲れからの戻りが早くなって、すぐに切り返せるような気がします。
■いろいろとお聞きしたいのですが。まず、復帰を決めた理由を教えてください。
井上 いっぱいあるのですが。
■その前に、なぜ一度グローブを置いたのでしょうか?
井上 怪我が多く、スパーリングをする度に怪我を繰り返していて、ジムに迷惑をかけていました。そういう試合が10試合ぐらい続いていたので、負けたらさすがに迷惑どころの話ではないなと思っていました。この状態でボクシングを続けていても、また怪我をしてしまうと思って辞めました。
■ボクシングから離れていた間は、どのようなことをしていたのでしょうか?
井上 自分は漫画を描いているのですが、そこの出版社で広報をしていました。ジムには1年半行っていなかったです。しかし、尚弥さんとダスマリナス(マイケル・ダスマリナス=比)との試合前や拓(井上拓真)がサウスポーと試合をする際、練習相手として12ラウンドマスボクシングをしていました。
■その時は復帰しようとは思わなかったですか?
井上 はい。サポートができたらいいなと。ダスマリナス戦も一緒に米国に行っていました。ラスベガスのリングはすごいなと思いました。日本人選手が入場して来ることに対して、アメリカ人が盛り上がって格好いいなと思いました。ただ、自分には縁のない話だと思いました。