注目:パッキャオ対アルジェリのWBO世界ウェルター級タイトルマッチは、リミットよりも3ポンド軽い144ポンド(約65.3キロ)の契約体重で行われる。これはWBO世界スーパーライト級王者のアルジェリに配慮した体重であると同時に、来年にも計画されるパッキャオの7階級制覇のテストマッチとしての意味も持っているとみる向きもある。この試合に備えパッキャオは自国でトレーニングに励んでいるが、長身のアルジェリ(178センチ)を想定してウェルター級のマイク・ジョーンズ(米)やスーパーライト級のWBC1位ビクトル・ポストル(ウクライナ)らとスパーリングをこなしていると伝えられる。一方のアルジェリはラスベガスで集中トレーニング中で、試合の10日ほど前にマカオ入りする予定と報じられている。10対1で不利とみられているアルジェリだが、「彼は私のようなリーチとスピードのある選手と戦ったことがないはず」と、体格のアドバンテージを生かした戦いをすることをほのめかしている。経験や攻撃力で大きく勝るサウスポーのパッキャオ鋭く踏み込んで相手の懐に入れば勝負は中盤を待たずに終わるものと思われるが、その一方、アルジェリの予言どおり苦戦する可能性もある。7階級制覇、あるいはフロイド・メイウェザー(米)との対決に向け、パッキャオはここで躓くことは許されない。

注目:五輪連覇の実績を持つロマチェンコは6月、最速タイのプロ3戦目で世界王座についた天才型のサウスポーで、「ハイテク」のニックネームを持つ。今回の挑戦者チョンラタンは2年前にクリス・ジョン(インドネシア)の持つWBA王座に挑んで12回判定負けを喫したが、53戦のキャリアでそれが唯一の敗北だ(52勝33KO1敗)。この2年で8連勝(6KO)と再び勢いを取り戻している。どこまでロマチェンコを苦しめることができるか。