村田さんより目立つ

　史上最速タイとなるデビュー4戦目での日本王座獲得を狙い、今週末の25日に日本ライトフライ級王者、田口良一(26=ワタナベ)に挑戦する井上尚弥(20=大橋)が21日、所属ジムで練習を公開した。

　詰めかけた報道陣に気負いもなく、リラックスした表情で会見に臨んだ井上は「過去3戦以上に注目され試合が楽しみ」と時折笑顔を見せると、「タイトルよりも世界3位のランクが魅力」と言い切った。

　同席した大橋秀行会長は、同日別会場で試合を行うワタナベジムの田口良一と柴田明雄のトレーナーが、同じ石原雄太トレーナーであることを持ち出し「村田(諒太=三迫)戦に間に合うよう、前半で倒す」と王者サイドを挑発。井上も「(田口と同じく)自分にとっても人生が懸かった一戦。気持ちでは負けていない。何もさせずに勝つ。やるからには村田さん以上にアピールしたい」と意気込んだ。

　その後、練習に移った井上は、トレーナーの父・真吾氏とのミット打ち、さらに二つ下の弟、アマチュアで活躍する拓真とマススパーリングを披露。軽目の練習ながら、抜群のバランスと距離感、相変わらずのキレの良さを見せていた。

　コンディションに問題はなく、ウェイトも今日でリミット近くまで落ちたと話す井上は、打ち合いも想定し、パターンをいくつか用意しているという。

　心・技・体が揃い、近代ボクシングの理想形「打たせずに打つ」を具現化しつつある井上が、日本最強を相手にどんなパフォーマンスを見せてくれるのか楽しみだ。