日本アトム級新チャンピオンが誕生!

　日本アトム級王座決定戦、同級1位の渡邉恵(35=TEAM10COUNT)対同級2位のモンブランみき(32=一力)が30日、後楽園ホールで開催された「DANGAN277」のメインイベントで行われた。

　タイトル初挑戦の渡邉と悲願のベルト奪取を狙うモンブランの意地が、ボクシングの聖地でぶつかり合った。

　初回、モンブランがワンツーを好打すると、ボディにパンチを集めて先手を奪うことに成功。2回以降、ショートレンジでの打ち合いとなるが、モンブランは右ストレートを決めて、ポイントを加点。最終6回、渡邉は回転力を活かした連打で攻め立てたが、モンブランも最後まで手数を出した。終始、有効打を集めたモンブランが新チャンピオンに輝いた。

　6度目の挑戦で悲願のベルト奪取に成功したモンブランは、「ここまで長かった。本当に信じられない」と、白色のベルトをちらりと見ながら、にっこりと微笑んだ。

　これまでは勝ちたい気持ちが先行して空回りすることもあったが、この日は打ち合いの中でも、冷静に右ストレートを当て続けた。

「試合前からポジティブになれた」

　モンブランは「これまでは『負けたらどうしよう』とか、ネガティブになっていたが、練習の段階から勝つイメージしかなかった。前向きに考えられるようになった」と、メンタル面での成長を勝因に挙げた。

　一力ジムの小林一会長は、「6回目の挑戦だろうが、10回目の挑戦だろうが、1回勝てばチャンピオンとして形に残るんだから。今日は打たれても下がらずに、しっかりと打ち返していたね」と、モンブランの戴冠を喜んだ。

　挑戦者を迎え撃つ立場になったモンブランは、「ベルトは渡したくない。強い相手と戦って挑戦し続けたい。いけるところまでいく」と言葉に力を込めた。

　一方、ベルトを獲得することができなかった渡邉は、「打ち合いになることは想定していたが、想像以上にモンブラン選手のフィジカルが強かった。初めてのタイトルマッチで気持ちが高ぶってしまい、冷静さに欠けた」と悔しさを滲ませながらも、しっかりと答えた。