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[試合後談話]2024.5.18

父・辰吉丈一郎が寿以輝にダメ出し。

 日本スーパーバンタム級12位の辰吉寿以輝(27=大阪帝拳)が18日、エディオンアリーナ大阪(大阪府立体育会館第2競技場)で開催された「ドラマチックボクシング」のメインイベントに出場。スーパーバンタム級8回戦で、元WBCインターナショナル・フェザー級王者のチャイワット・ブラドック(32=タイ)と対戦した。

 序盤に左目上をカットした辰吉は、勝利を掴むことができたのかーー。
辰吉寿以輝(大阪帝拳)が勝利!
 初回、サウスポー・チャイワットの左ストレートを浴びた辰吉は、3回に偶然のバッティングで左目上をカット。しかし、辰吉はプレスをかけて、右ボディストレートで体力を削り攻勢をアピール。相手の独特のタイミングに手を焼いたが、ボディにパンチを集めると、7回には右ボディから連打でダウン寸前まで追い込んだ。最後まで積極的に攻めた辰吉が判定勝ちした。
「リズムが独特でやりにくかった」
 試合後、会見に臨んだ辰吉は、「効いたパンチはなかったが、(チャイワット選手は)上体が柔らかくてリズムが独特でやりづらかった。もっと左右に動く練習をしていたが、その成果は出せなかった。力み過ぎた」と、快勝にも笑顔はなかった。

タイトルが決まればいつでも!

 スーパーバンタム級の地域王者は、全員がサウスポー(日本王者が下町俊貴、OPBF王者が中嶋一輝、WBO-AP王者がTJドヘニー)だ。陣営は、タイトル挑戦を見据えて、キャリア2度目のサウスポーとの対戦に踏み切った。

 51戦のキャリアを誇るチャイワットを撃破し、タイトル挑戦に期待が高まる。辰吉は「タイトルマッチが決まったら、いつでも、誰とでもやりたい」と拳を握り締めた。
「サウスポー対策ができていない」辰吉丈一郎
 リングサイドで観戦した父・丈一郎は、「下手くそやなぁ」とボソッと言うと、「サウスポー選手と戦っていないから仕方がないが、相手の正面に立ってしまうから、左ストレートをもらう。対応策は教えたつもりだったが、できていない。今日のところは勝ったけれど、今後、上に行くにはまだまだ。今のままでは、タイトルは無理」と手厳しかった。

 父のダメ出しを黙って聞いた辰吉寿以輝は、「これからも頑張るのが辰吉です」と話し、会見を締めた。

 大阪帝拳ジムの吉井寛会長は、「倒せるチャンスがあったが、パンチの畳みかけがほしかった。今日の試合は(優・良・可の)可ですね」と赤点は免れた。

 次戦について聞かれると、「傷をしっかりと完治させたい。早くて年末かな」と試合間隔を空けることを明言した。それでも、「チャンスが来たら挑戦させたい。指をくわえて待っているわけにはいかない」と、タイトルマッチの話が来たらGOサインを出すとした。
「今まで戦った中で一番パンチが強かった」
 一方、判定負けを喫したチャイワットは、「相手は気持ちが強くて、パンチが強烈だった。7ラウンドの右ボディは効いた。これまで戦った中で、一番パンチが強かった」とサバサバとした表情で試合を振り返った。その上で、「(辰吉は)サウスポーが苦手かもしれないね」とも付け加えた。
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