熱戦! ウェルター級アジア2冠戦!

　OPBF東洋太平洋&WBOアジアパシフィック・ウェルター級タイトルマッチが4日、後楽園ホールで開催された「ダイナミックグローブ」のメインイベントで行われ、2冠王者の豊嶋亮太(25=帝拳)と挑戦者の坂井祥紀(30=横浜光)が熱戦を繰り広げた。

　2021年に頭角を現してきた豊嶋が王座防衛に成功したのか?それともメキシコ逆輸入ボクサーの坂井が戴冠したのか――。

　鉄壁のディフェンス力を持つ2人の対戦。フィジカルの強さで上回った豊嶋がタフな打ち合いを制した。豊嶋は左ボディ、坂井は右ショートアッパーをヒット。採点が難しいラウンドが続く中、豊嶋がポイントを奪った。5ラウンド終了時の公開採点は48-47、49-46、50-45で豊嶋がリード。中盤、体を密着させてショートパンチの応酬となるが、豊嶋が角度のあるボディブローでジャッジに攻勢をアピール。最終12回には右フックで効かせた。坂井も最後まで食い下がった。豊嶋がOPBF王座2度目、WBOアジアパシフィック王座初防衛に成功した。

　偶然のバッティングで負傷した左目上に絆創膏を貼って会見に臨んだ豊嶋。「ラスト2ラウンドの右フックは手応えがあったが、踏ん張ってきたので『このパンチを耐えるか!』と相手の気迫に驚いた。打ってもパンチを返してきたので、最後まで集中力を切らさずに戦うことを心掛けた。(坂井選手は)『日本人のボクシングスタイルではない』のは拳を交えてみてわかった」とメキシコ仕込みのテクニシャン坂井の強さを語った。

　続けて「相手はボディが強いのはわかっていたが、臓器なのでいずれは効いてくる。ジャブの打ち終わりに左ボディを打った」と前日計量で話していた、勝負のキーポイントとなったボディ打ちについて説明した。

　今年1月に王座に就き、3戦全勝(1KO)で2021年を終えた。今後の目標を聞かれた豊嶋は「世界の舞台で戦えるように先のステージを目指していきたい」と、日本人初の世界ウェルター級王者を目指す。