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[電話取材]2021.9.29

加藤博昭氏「勝負は紙一重。矢吹はすごい男」

加藤博昭氏「勝負は紙一重。矢吹はすごい男」

 京都市体育館で行われたWBC(世界ボクシング評議会)ライトフライ級タイトルマッチから1週間が経った。寺地拳四朗(29=BMB)と矢吹正道(29=緑)の一戦はまさに死闘。どちらが勝ってもおかしくない壮絶な打撃戦の末、世界初挑戦の矢吹が10回TKO勝ちで戴冠。難攻不落の拳四朗を攻略した。

 この試合のチーフセコンドを務めた加藤博昭トレーナー(矢吹担当)と加藤健太トレーナー(拳四朗)それぞれに電話取材で話を聞いた。

 両者は、リング下で何を思ったのか?そして、SNS等で言われている4ラウンドの公開採点で感じたこととは?トレーナーインタビュー1回目は博昭氏の話を取り上げたい。

 加藤氏からボクモバだけに教えてくれたマル秘エピソードも届けたい。

深夜2時から【関テレ(関西ローカル)】
 ボクシング 拳四朗vs矢吹 激闘の裏側 
【世界Lフライ級タイトル戦▽長谷川穂積】 
 関テレ(関西ローカル) 9月30日午前2時5分〜
「9月22日は何かが起こると予感していた」
 「まだ実感が湧かないが本当に嬉しかった。すごい試合だったよね。感無量です。本当に感動しました」。電話口の向こうで加藤氏から喜びの声が上がった。

 試合日のちょうど40年前、1981年9月22日は愛知県体育館でWBC世界バンタム級タイトルマッチが開催され、当時チャンピオンのルペ・ピントール(メキシコ)にハリケーン照(誠和石川)が挑んだ日。(※ピントールが15回KO勝ちで7度目の防衛に成功)

 ピントールと照の両選手のスパーリングパートナーを務めたのが、現役時代、日本スーパーフライ級ランカーだった加藤氏。矢吹の決戦当日の朝にこのことを知ったという加藤氏は「自分がスパーリングをした選手の世界戦と教え子の世界戦が同じ日にある。『これは何かがある!』と鳥肌が立ったね。運命を感じました」と筆者に打ち明けてくれた。
「強い左を返した」
 拳四朗の生命線と言われるジャブを「強いジャブ」と「弱いジャブ」の2種類あるとして、それぞれの対策を練っていた矢吹。加藤氏は「拳四朗選手の細かいジャブに対して矢吹が左ストレートのような強いパンチを返し相手の首を弾いた。あれが良かったんだと思う。ジャブの差し合いでダメージを与えたのは矢吹の方。向こうが3発ジャブを打ったらこっちは強いジャブを入れた。4ラウンド終了時の公開採点でポイントが取れて『よっしゃ!これはイケるぞ!』と。これで正解だった」とターニングポイントとなった前半4ラウンドを振り返った。
「どちらが勝ってもおかしくなかった」
 試合が決まった10ラウンドに一気に勝負に出た矢吹の覚悟と勝負感にシビれた。「10ラウンドはどちらが勝ってもおかしくない展開だった。拳四朗選手はすごいスタミナで勝負は紙一重だった」と話すと、「矢吹はフラフラの状態で10ラウンド、ラスト何10秒かで出したボディブローで効かせた。そして、ここが勝負だと攻め切ってくれた。『レフェリー!早く試合を止めてくれ』と祈るような気持ちで見ていた。あいつは本当にすごい男ですよ」と勝負が決まった最後の場面を回想した。

最後は祈るような気持ちで見ていた

 コロナ禍で有観客でも2000人と制限される中で、会場のボルテージがマックスを超えた9、10ラウンドはボクシング史に残る激闘だった。
緑ジムから17年ぶりの世界王者
 「拳四朗選手はコロナ陽性反応が出て休んだが、100%の状態で来ると思っていたので、本人も陣営も気を緩めることはまったくなかった。拳四朗選手は、8ラウンドからあれだけ前に出てくるんですから、やっぱりすごいチャンピオンだった」とあらためて前王者の強さを認めた。
今後の矢吹正道に期待!
 加藤氏は、新王者に輝いた矢吹を肩車してリング上から景色を見た。「最高の景色ですねぇ!」と振り返ると「あのコは根っからボクシングが好き。これまでと変わらずに驕り高ぶらず、皆のチャンピオンでいてほしいですね」と、今後の矢吹に期待した。
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