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[引退表明]2021.3.17

元王者の小西伶弥が引退を決意

 元日本ミニマム級・元WBOアジアパシフィック・ライトフライ級王者の小西伶弥(27=SUN-RISE)が16日、自身のSNSで引退を発表した。
 小西は、豊富なスタミナと手数を武器に日本王座とWBOアジアパシフィックを獲得。2度にわたり世界王座に挑戦したが、判定負けを喫した。昨年12月に元世界4団体制覇王者の高山勝成(37=寝屋川石田)に敗れたのがラストファイトとなった。
 電話取材に応じた小西は「ボクシングは十分やり切った。未練はない」とキッパリと言った。
 生涯戦績:20戦17勝(7KO)3敗 
今年1月に引退を決めた
 引退を決意したのは高山戦が終わってからすぐのこと。「世界戦を2度経験した時は『これではダメだ』とすぐに練習を再開しようと前向きな気持ちだったが、前戦が終わってから『やっと試合が終わったな。これでゆっくりできる』というマイナスな気持ちになり悔しさがこみ上げてこなかった。復帰したい情熱がまったく湧いてこなかった」とグローブを吊るす決意を固めた。試合から約2週間後には江藤日出典会長に報告し、応援者に挨拶を済ませてSNSで発表した。
谷口将隆(ワタナベ)との日本王座戦
 これまでのベストバウトを聞かれた小西は、迷わず2017年4月に谷口将隆(ワタナベ)と争った日本ミニマム級王座決定戦を挙げた。「ここで勝っておかないと、先が見えないキーポイントとなった試合。周りから不利という声も聞こえたが、結果で覆すことができた。谷口選手は強かったので、勝てて本当に嬉しかったし、達成感があった」と名勝負を振り返った。
「ボクシングをしてきて良かった」
 「ボクシングを通じて築けた縁が本当に大きい。競技をしてきたからこそ、いろいろな人とつながることができたし、関係を築くことができた。自分の中の輪が広がった。この仕事をしてきて良かった」と、ボクシングに感謝した。
「多くの人に感謝している」
 江藤会長とは、小西が練習生の頃からの付き合いだ。「根気よく練習を見ていただき、自分と真正面から向き合って対策を練ってきた。ボクシングだけではなく、人間として成長させてくれた。指導者としても人間としても大好きな方です」と感謝の気持ちを言葉にした。
 さらに「親はプロボクサーになることに最初は大反対したが、(ボクサーになることを)許可してくれて感謝している。デビュー戦から一生懸命に応援してくれたし、食事面でもサポートしてくれた」と、感謝の意を示した。
おつかれさまでした
 今後は「ボクシングを辞めてから何もできないと思われるのも嫌なので、すぐに次のことを見つける。社会を経験してこなかったので、いきなり自分のやりたいことをできるかというとそんなに甘い世界ではないと思う。社会勉強をしていきたい」と新たな道を模索する。

 押し負けないパワーと性格そのまま真っすぐなボクシングは見る者を惹きつけた。取材をしていても芯の強さを感じさせた選手だった。小西の闘志あふれるファイトが見られなくなるのは非常に残念だが、次のステージでもリング上で見せた不屈の精神で必ず成功すると願う。小西選手、お疲れさまでした。

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